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いま聞きたいQ&A

Q.資産形成を始めるならNISA一択で大丈夫?

【この記事でわかること】

  • 「NISA貧乏」が話題になった背景
  • 欧米では「50:30:20の法則」が一般的
  • お金に換算できない資産もある

資産形成で重要なのは、投資を通じてお金を効率的に増やすことだけではありません。月々の収支配分のなかに資産形成をバランス良く位置づけながら、お金に換算できない部分も含めて「資産の意味」を考えることが求められます。

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投資を優先して「NISA貧乏」になるのは本末転倒

新社会人のなかには、これから本格的に資産形成を始める人も多いことでしょう。資産形成の手段として現在、NISA(少額投資非課税制度)を活用した投資が大きな注目を浴びています。

NISAでは投資によって得られる利益がすべて非課税となるため、効率良く資産形成を進めることができます。しかし、だからといって投資を優先するあまり、日常生活に支障を来すようでは本末転倒です。

NISAに設定された年間の非課税枠をできる限り多く埋めようと、投資にお金を回しすぎて、日々の暮らしに余裕がなくなることを「NISA貧乏」と呼びます。今年(2026年)3月の国会でも取り上げられて話題となりました。

NISA貧乏は、20~30代の若い世代の一部に見られる現象と言われています。そこまで極端ではなくても、昨今の若年層は投資を重んじる傾向が強いのではないでしょうか。

今後の暮らしや将来的な老後生活をイメージすると、貯蓄や年金だけでは心もとないため、投資で少しでもお金を増やしておきたい――。そんな気持ちは分からないでもありません。

ただし当然のことながら、日常においては投資以外にもさまざまな形で、お金の適切な使い方が求められてきます。

資産形成に回すべきお金は収入全体の2割

欧米で一般的な「50:30:20の法則」をご存じでしょうか。これは月々の手取り収入を、「生活費:50%、ゆとり費:30%、資産形成:20%」の3つにバランス良く配分する家計管理の考え方です。

具体的には、「生活費」が食費や住居費、光熱費、日用品など。「ゆとり費」が趣味や娯楽、交際費、自己投資など。「資産形成」が貯蓄や投資などに、それぞれ該当します。

新社会人の皆さんは基本的なお金の使い方として、この法則をひとつの目安にするといいかもしれません。あくまでも一般論ですが、資産形成に回すべきお金は、収入全体の2割程度であることが分かります。

資産形成の中身にも注意が必要です。例えば今後、皆さんが思いがけず失職した場合には、次の仕事が見つかるまでの間、収入が一時的に途絶える可能性も考えられます。自分や家族が病気・ケガによって長期療養を迫られることも、まったくないとは言い切れません。

こうした生活防衛の資金として頼りになるのは、やはり貯蓄です。株式や投資信託などへの投資では、価格の下落によって資産価値が目減りするリスクがあります。いざ換金しようとしても、その時々で必要な金額に届かないケースがあり得るのです。

ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家は、生活防衛資金として少なくとも生活費の3カ月分、できれば1年分程度を預貯金で準備しておくべきと指摘しています。

自己投資や健康維持も資産形成の一部

もうひとつ、若い世代にこそ考えてほしい視点として「自己投資」の重要性があります。そこにはスキルアップへ向けた勉強や専門技術の習得などはもちろん、趣味や芸術、旅行、交友、恋愛といったプライベートな体験も含まれます。

早い時期からこうした自己を育む体験を積み重ねることで、人間としての幅や奥行きが培われていきます。それが豊かな人生のための新たな気付きを与えてくれることもあるし、仕事を通じて収入増につながる可能性もあるでしょう。

すなわち、前述した「50:30:20の法則」のゆとり費には、資産形成に近い意味合いも含まれると言えるわけです。

同じような意味で、「健康」も一人ひとりが持つ資産と考えられます。健康を維持するためには、適度な運動などを通じて心身のコンディションを保つとともに、日々の暮らしにできる限りの余裕を持たせることが大切です。

このように、資産にはいわばお金に換算できない部分もあることを覚えておくと、皆さんの資産形成に対するアプローチもひと味違ってくるのではないでしょうか。(チームENGINE 代表・小島淳)

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