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いま聞きたいQ&A

Q.日銀による「利上げ」はなぜ大きなニュースになるの?

【この記事でわかること】

  • 「利上げ」とは、中央銀行による政策金利の引き上げ
  • 2026年6月に日銀が利上げに踏み切った理由
  • 利上げは経済・金融から暮らしまで幅広く影響をもたらす

日銀などの中央銀行が利上げを行う主な目的は、インフレの抑制です。一方で利上げには、景気を後退させてしまうリスクもあります。金融市場や暮らしに及ぼす影響も大きく、利上げは一国の経済を左右する重要なイベントと言えます。

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利上げによる需要減少がインフレを抑制する

日本の日本銀行(日銀)、米国の米連邦準備理事会(FRB)、ユーロ圏の欧州中央銀行(ECB)など、世界の主要国・地域にはそれぞれ中央銀行があります。

中央銀行は国内経済の安定化という大きな役割を果たすため、景気や物価などの動向に合わせて「政策金利」を上下に動かします。政策金利とは、世の中のさまざまな金利の基準となる、最も基礎的な金利のことです。

政策金利をもとに、金融機関同士が短期で資金を貸し借りする際の金利が決まります。個人向けの預金金利や住宅ローン金利、企業向けの貸出金利なども、政策金利の影響を受けて決まることになります。

中央銀行が政策金利を引き上げることを「利上げ」と言い、引き下げることを「利下げ」と言います。このうち利上げは、主としてインフレを抑制するために行われます。

利上げによって資金を借りるための金利(借入コスト)が上昇すると、個人が住宅購入などの支出を控えたり、企業が設備などへの投資を減らす傾向が強くなります。結果として経済全体の需要が減少するため、モノやサービスの価格上昇を抑える効果が得られるわけです。

利上げはタイミングを見誤らないことが重要

今年(2026年)6月にはECBと日銀が相次いで利上げを実施しました。政策金利はユーロ圏が2%から2.25%へ、日本が0.75%から1%へ、それぞれ引き上げられています。

利上げにはインフレ抑制の効果がある半面、金利上昇によって景気を冷やし過ぎ、経済が減速してしまうリスクもあります。ECBと日銀はなぜ、このタイミングで利上げに踏み切ったのでしょうか。

中東情勢の混乱をきっかけに資源価格などが上昇し、世界各国ではインフレ圧力が強まっています。ECBのラガルド総裁は記者会見で、「インフレを制御不能な状態に放置すれば、物価を安定的な水準に戻すのがはるかに難しくなる」と語りました。

日本でも海外から輸入する幅広い品目で価格が上昇しました。企業はコスト増や品不足に対応して、モノやサービスへの価格転嫁を急ピッチで進めています。こうした状況を野放しにすると、後で大幅な利上げを迫られることにもなりかねません。

米国では過去に、FRBがインフレ抑制に乗り出すタイミングを見誤ったことがあります。結果として2022年の1年間だけで、政策金利を0.25%から4.5%まで急激に引き上げました。それが翌2023年に銀行破綻などを招き、大幅な利上げの副作用が問題視されたのです。

ECBと日銀は今回、利上げが経済に悪影響を及ぼすリスクよりも、物価が今後もさらに上昇し続けるリスクの方を重視した格好です。

利上げは株価の下落や通貨高につながりやすい

利上げは株式や為替などの金融市場にも少なからず影響を及ぼします。

利上げによって債券の利回りが上昇すると、その分、投資家にとっては「相対的に大きなリスクを負担してでも株式に投資する魅力」が薄まります。投資先を株式から債券へ移そうと考える投資家が増えるため、株価は下がりやすくなります。

また、金利が相対的に高い国の通貨ほど、投資家にとっては投資魅力が高まります。日銀が利上げを行うと円が買われやすくなって、円高が進みやすくなります。

ただし、株価や為替の動きは金利だけで決まるわけではないので、必ずしも株安や円高になるとは限りません。

個人にとっては、利上げによって銀行の定期預金金利などが上昇することはメリットです。一方で、変動金利型の住宅ローンなどを利用している人は、ローン金利が上昇して支払い負担の増加につながります。

利上げは国内の経済・金融から暮らしまで、幅広く影響をもたらす重要なイベントと言えます。だからこそ大きなニュースになるわけで、私たちも利上げによる世の中のさまざまな変化に注意を払う必要があります。(チームENGINE 代表・小島淳)

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