Q.「投資」と「投機」の違い。どのように区別すればいいのか?
【この記事でわかること】
- 投資と投機の共通点と相違点
- 株式投資でお金が分配される仕組み
- 投資のつもりが投機になってしまうケース
「投資」と「投機」の違いは、お金が分配される仕組みと人々がお金を投じる姿勢に着目することで明確になります。お金を投じる姿勢を間違えると、自分では株式への投資を行っているつもりでも、投機を行うことになりかねないので注意が必要です。
投機は限られたパイのなかでお金を奪い合う
最初に、投資と投機の共通点を考えてみましょう。これらはいずれも、人々が特定の対象に自らのお金を投じることでお金を増やそうとする行為を指します。すなわち、お金を増やすという「目的」は同じです。
ただし、お金を増やす「方法」は両者で大きく異なります。この違いについては、2つのポイントに着目すると分かりやすいかもしれません。ひとつは、お金が分配される仕組み。もうひとつは、人々がお金を投じる姿勢です。
例えば投機の代表格である競馬や宝くじなどのギャンブルでは、どのようにお金が分配されるのでしょうか。
競馬も宝くじも、参加者のうち「外れた人」のお金が、「当たった人」への支払い(払い戻し)に充てられます。当たった人の利益が、外れた人の損失によって成り立つという仕組みです。こうした状況を「ゼロサム」と呼びます。
払い戻しが行われる前の段階で、競馬では全売上高の20~30%が、宝くじでは同50%強が、それぞれ主催者によって差し引かれます。悪い言い方をするならば、参加者は相当に限られたパイ(原資)のなかで、お金の奪い合いをすることになるわけです。
株式投資では参加者すべてに利益獲得の可能性
一方の投資ではどのようにお金が分配されるのか、株式投資のケースを見てみましょう。
私たちが株式投資によって得られるリターンには、「配当」と「売買差益」の2種類があります。このうち配当は、企業が1年間に上げた利益の一部を株主に分配するものです。
すべての企業が毎年、必ず配当を出すわけではないし、年によって配当が減額される場合もあります。しかし、少なくとも企業が利益を上げてくれさえすれば、株主には毎年のように配当というリターンを享受できるチャンスが生まれます。
企業が何年にもわたって利益成長を遂げると、配当のパイはだんだん大きくなっていきます。同時に「経営が優秀」と見なされて、株式市場では評価が高まります。より多くの投資家がその企業の株式を購入したいと考えれば、株価は上昇していくので、売買差益も得られることになります。
配当も売買差益も、すべての株主に分け隔てなくもたらされます。極端な話、株式投資では拡大するパイのなかで、理論上は参加者すべてに限りない利益獲得の可能性があると言えるのです。こうした状況を「プラスサム」と呼びます。
株価の動きに期待してお金を投じると投機になる
次に、人々がお金を投じる姿勢という観点から、投資と投機それぞれの意味を考えてみます。
投機とは、「当たりか外れか」の二者択一にお金を投じることです。一方で投資とは、将来的に企業などの価値(利益を生み出す力)が増えることを期待して、株式や投資信託といった金融資産にお金を投じることです。
企業が利益成長して価値を高めていくには、相応の時間がかかるものです。ところが世の中には、あまり時間をかけずにもうけたいと思う人も少なくありません。
ある企業の株価が上がり始めたとき、さしたる根拠もなく「短期間でもっと上がりそうだ」と考えて、自分も購入に走る人がいます。
その場合は同じ株式投資でも、企業の価値が増えることではなく、単に株価の動きに期待してお金を投じることになります。株価がこれから上昇するか、それとも下落するかという、「当たりか外れか」の二者択一です。
このようにお金を投じる姿勢を間違えると、自分では投資を行っているつもりでも、投機を行うことになりかねないので注意が必要です。(チームENGINE 代表・小島淳)