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いま聞きたいQ&A

投資信託を購入するにあたって、初心者はどのような選択をすればいいですか?(前編)

投信は銘柄数も種類も多すぎるから迷ってしまう

投資信託(投信)の購入という行為をするためには、誰でも最低2つの選択を迫られることになります。具体的な商品(投信銘柄)の選択と、取引する金融機関の選択です。

一般個人が日本国内で基本的にいつでも購入することのできる公募投信は、2018年11月末時点で5,951本もあります(ETF=上場投資信託を除く)。これだけの商品数を前にすれば、初心者ならずとも、途方に暮れてしまう人が多いことは想像に難くありません。

金融機関によって取り扱う投信銘柄の種類や総数が大きく異なるという点も、投信購入の難しさを助長しているような気がします。単純にいえば、私たちが購入できる投信銘柄は取引する金融機関によって変わってくるわけです。金融機関に新規の口座を開設したり、複数の口座を管理する手間を考えると、評価の高い投信銘柄をより多く取りそろえている金融機関を1つだけ選びたいところですが、残念ながらそのような金融機関の品ぞろえに関する指標は存在しません。

さらに厳密にはもう一つ、避けては通れない選択プロセスがあります。投信を通じて私たちがどんな金融資産に投資するのかという、実際の投資対象に関する選択です。

一般論としては、まず実際の投資対象を選択し、それに合わせて具体的な投信銘柄に落とし込んでいくというのが最も無難な投信の購入法といえます。すなわち、国内の株式に投資するタイプなのか、あるいは海外の債券に投資するタイプなのかといった大まかな「投信のタイプ選び」を最初に行い、そのうえで当該タイプの商品群のなかから実際に購入する投信銘柄を選ぶわけです。

初心者といえども、自分がどのような金融資産に投資して、どの程度のリスクを取りながらどの程度のリターンを狙うつもりなのかについてはある程度、把握しておく必要があります。そのために最初の段階で投信のタイプを選ぶことが非常に重要になるのですが、実はこれも投資対象や投資スタイルによって多くの種類があるため、初心者は最初の選択の段階から迷ってしまうことも十分に考えられます。

こうしてみると、「投信銘柄」「金融機関」「投信のタイプ」という3つの選択ポイントのいずれからアプローチを試みたとしても、初心者が実際の投信購入にいたるまでには結構ハードルが高いことが分かります。投信を購入するにあたって何から手をつければいいのか分からない、というのが多くの初心者の本音ではないでしょうか。

最初の段階で長期運用に向かないタイプを除外する

視点を大きく変えて、「投資期間」に着目してみましょう。あなたが今後10年や20年といった長い期間をかけて無理のない範囲でコツコツと資産づくりを進めていきたいとしたら、それを実現するうえで「避けた方がよい選択」と「ぜひとも採用したい選択」があります。

初心者は驚くかもしれませんが、前述した投信タイプのなかには明らかに長期運用には向かないとみなせるものも含まれています。それらを最初の段階で選択肢から外すだけでも、投信購入の第一歩はずいぶんスッキリするのではないでしょうか。例えば「リスク限定型」と呼ばれるタイプの投信は、利回りに関して特殊な条件が定められた仕組み債に投資するため、その名称とは裏腹にリスクの大きさが分かりにくいうえ、投資環境によっては早期償還される恐れもあります。

先物取引を用いることで値動きを増幅させる「ブルベア型」や、かつて大きな人気を博した「毎月分配型」「通貨選択型」、さらには次世代自動車やロボット、AI(人工知能)などの特定テーマに沿って運用する「テーマ型」なども、基本的に長期運用には向いていません。それぞれ理由を簡単に挙げておくと、ブルベア型は値動きが大きすぎる、毎月分配型は複利効果が効かない、通貨選択型はリスクの所在が分かりにくい、テーマ型は長期的なテーマの持続性が不透明といった具合です。

さしたる根拠もないまま他人の言動に従って投信を選ぶことも、絶対に避けたいところです。特に高齢者を中心に多くみられるのが、普段から付き合いのある金融機関に“売れ筋”の投信銘柄を勧められて、中身をよく理解せずに購入してしまうというケース。

投信業界では、売れ筋が必ずしも品質が良い銘柄、すなわち一般個人の長期運用に資する銘柄とは限りません。逆説的な言い方をするならば、多くの個人が自ら考えて選択することを半ば放棄し、投信の購入を他人任せやトレンド任せにしてきた結果、毎月分配型のようなゆがんだ形の売れ筋商品が過去に繰り返し生まれたのだと思います。

次回は引き続き、長期運用に向けて採用したい選択について紹介しながら、できる限り具体的な投信銘柄選びにつながるヒントを考えます。

ご注意:「いま聞きたいQ&A」は、上記、掲載日時点の内容です。現状に即さない場合がありますが、ご了承ください。