「金庫株」とは企業が過去に発行した株式を買う「自社株買い」の1種類です。
目的を限定せずに、市場から買い入れて、当面、買った株式を金庫に入れて保管するという意味で、米国ではトレジャリーストック(treasury stock)と呼ばれています。
自社株買い自体は昔からあったのですが、昨年10月までは買い入れた株式を消却したり、社員に報酬の一環で自社株購入権(ストックオプション)を与える企業が準備のために買い入れるケースに限定されていたため、使いにくいという批判が高まり、商法が改正されました。
金庫株には市場に流通する株式の量を減らして、株価の維持を図ったり、企業同士や企業と金融機関の持ち合い株式解消で持ち合い先が売却する株式の受け皿にする狙いもあるようです。企業買収などの際に株式交換などに使えば、株式は現金の代わりになりますし、敵対的買収に対する防衛策としても活用できます。
金庫株の登場で、自社株買いがしやすくなったことから、企業の自社株買いが急増しています。日本経済新聞社の集計では、2001年度は1月末までに既に自社株買いの予定総数が14億株を超え、過去最高の水準となりました。
株式会社が自己の発行した株式を自ら所得し保有している場合に自己株式と呼び、貸借対照表(バランスシート)に計上しています。