自分の持ち株ではなく、他の投資家の株式を借りてきて売却することを指します。
借りてきた株式を売却して、株価が下落したところで買い戻しすれば、その株式の売却価格が購入価格を上回り、利益が出るわけです。機関投資家は国内外の貸株市場で株券を借りて空売りし、個人投資家は信用取引制度を利用しています。
日本の貸株市場は1998年の金融ビックバンで整備されました。
大量の株式を保有する信託銀行や生命保険会社の株券が証券会社を経由して貸し出されています。信用取引制度は証券金融会社などが株券を供給しています。
空(カラ)売りは株式市場が下落している局面では、株価をさらに引き下げる一因になっていると言われています。売りが売りを呼ぶ状況を生み出してしまうからです。
そこで、政府は(2002年)3月6日から空売りに規制をかけることにしました。具体的には、貸株市場から借りてきた株を売る場合は、株価の値下がり局面に限り直近の価格以下の水準では売り注文を出せなくなりました。
信用取引を利用した空売りについては価格規制は見送られましたが、金融庁は株券を借りる際の料金を高くすることで、値崩れを起こすことを目的とするような空売りをしにくくしようと考えているようです。