ある「モノ」1個の値段を1万円、金利が5%、モノの値段の上昇率が1年で5%だとしましょう。
今、銀行から1万円借りて、「モノ」を買ったとします。
1年後にその「モノ」の値段は1万500円になります。
一方、銀行から借りた1万円は利子がついて1万500円になります。
つまり、「モノ」を売れば、借金が返済できますね。借りたときにつけられた金利(名目金利)は5%ですが、実質的な金利負担(実質金利)は0%となります。
このように、名目金利から物価上昇率を差し引いたものを実質金利と呼びます。
デフレの時代は逆に物価が低下しています。デフレ時代に、同じことをしたらどうなるでしょうか。
たとえば、物価が5%低下したとしましょう。
「モノ」の値段は1年後に9500円になりますが、銀行からの借金は物価が下がっても1万500円のままです。
かりにモノを売却して返済すると、利息(500円)に加えて下落分(500円)も加えて返すことになります。
つまり、実質金利は10%(=名目金利-物価上昇率)に上昇していますね。
このように、デフレになると実質金利が上がりますし、借金(=債務)の負担も重くなるのです。