4 投資信託のしくみとは?役割は?
投資信託の運営
投資信託は多くの場合、次の3つの会社によって運営されている。これら3つがそれぞれの役割を果たすことで、投資信託の安全性が守られているということだ。万が一、このうちのどれかの経営が破綻してしまっても、私たちが預けたお金は守られるようになっているんだ。
1.販売会社
投資信託を購入したいと思ったら、まず、販売会社に口座を開設することになる。具体的には証券会社や銀行などの金融機関が担っている。販売会社は、私たちが、投資信託の購入代金を支払ったり、分配金を受け取るなど、お金のやり取りの窓口となる。このほか、投資信託の利用にあたって必要な情報を提供したり、投資した資金がどれぐらい増えているのか(あるいは減っているのか)といった運用状況を知らせたりするのも販売会社の役割だ。
(販売会社はあくまで投資家が投資信託を利用するときの窓口なので、投資家が支払ったお金や、それをもとに購入した株式や債券は信託銀行が管理している。販売会社が破綻したとしても、投資家に損失が及ぶようなことはない。)
2. 運用会社
「環境対策に取り組んでいる企業に投資する投資信託をつくろう」とか、「新興国に投資する投資信託をつくろう」など、どんな投資信託を作るかを企画し、具体的にどんな株式や債券にどのぐらいのお金を投資するのかを決めるのが運用会社だ。ファンドマネージャーと呼ばれる投資の専門家が中心となって、投資に必要なさまざまな情報を収集・分析し、運用の方針を決めていく。
(運用会社は、運用方針を決めているだけなので、運用会社が破綻しても投資信託に影響はない。)
3. 受託銀行
運用会社はあくまで運用方針を決めるだけで、投資家から集めたお金を、運用会社の指示に従って実際に株式や債券などに投資するのは受託銀行の役割だ。受託銀行は、信託銀行が担うことが多い。投資信託に関わるすべての財産を保管・管理するという重要な役割を果たしている。
(受託銀行は、投資信託に関連する財産を、銀行自身の財産とは区別して管理することが法律で義務づけられている。そのため、受託銀行が経営破綻したとしても、投資信託にその影響が及ばないようになっている。)
このように、投資手段としての安全性が高く、投資家を守るようなしくみになっていることは投資信託の特徴の一つだ。
※ただし「安全性が高い」といっても、「常にリターンが約束されている」というわけではない。運用の結果によって、期待したリターンが得られない場合はある。