日経STOCKリーグ

第4回インタビュー 川﨑 健太氏
─「『生きた経済』を学べた」

仲間と挑む格好の機会

大学卒業後は国家公務員として税務に関わる業務に携わりました。企業の活動や数字と向き合いながら、大学で学んだ経済学の考え方や、もともと好きだった数学の知識を生かして、制度を事務に落とし込む経験を積みました。現在は国立大学の財務部に所属しています。決算や財務諸表の作成、会計システムの管理が主な業務内容です。業務の一環として統合報告書の作成にも携わり、企業活動や数字を社会にどう伝えるかという視点で取り組んでいます。資金繰りは企業だけの課題ではなく、国立大学も頭を悩ませています。今後は日経STOCKリーグで培った企業選定のノウハウを生かして、大学の財政にも取り組んでいくつもりです。

挑むからには、最大限良い成績を残すつもりで臨んだ日経STOCKリーグでしたが、テーマ選定やチーム運営に苦心したのを覚えています。テーマについては数え切れないほどチームメンバーと話し合って、ようやく「企業はユーザーの意図を汲み取っていく必要があるのではないか」という意見にたどり着きました。そうして生まれたのが消費者との共創を軸にものづくり大国としての日本の再興に資するポートフォリオで、「競争から共創へ!ユーザーイノベーション」というレポートタイトルでした。

チームリーダーとしての自分の役割にもこだわりを持っていました。メンバーは個性も強みもバラバラでしたが、それぞれの得意分野を生かせる役割分担ができるように努めました。もちろん、意見が対立することもありましたが、大学構内のカフェテリアで対話を重ねて、全員が納得のいく形で進めることを常に意識しました。リーダー職は初めての経験でもあり、試行錯誤の連続でした。ただ、仲間と協力しながら全力で1つの目標に向かって取り組む格好の機会であり、貴重な経験になったと感じています。当時のチームメンバーとは今でも定期的に会う仲で、昨年秋の日経STOCKリーグOB・OG懇親会にも一緒に参加しました。

人生設計やキャリアに寄与

日経STOCKリーグへの挑戦を通じて「生きた経済」を学べました。コンテストの参加経験はライフプランニングやキャリア形成と密接につながっていると感じました。学生時代、私は理系学部で基礎的な学びを重ねた後、3年次編入で経済学部に進学するなど、経済を学びたいという思いは強く持っていました。ただ、ニュースで耳にする経済用語やお金の話を、自分の生活と結び付けて理解できていたかというと、まだ十分ではなかったように思います。しかし、テーマ選定や企業調査を進めていくうちに、社会を循環するお金の流れや株式の仕組みを学べて、投資の概念や意義が理解できました。当時培った金融知識は、暮らしの中でのお金の使い道はもちろん、将来のことを考える時や卒業後の進路にも役立ったと思います。

また、私が勤める部署の業務内容には、外部資金獲得額の集計やただちに使用しない資金を活かした資金運用も含まれます。外部資金の獲得や資金運用を通じていかに自己収入を増やしていくかが大学の大きな課題となっています。日経STOCKリーグで培った企業を見極める力や投資家を応援する思考が、これらの業務内容にも直結していることを実感しています。

金融経済教育は2022年から小中高の学校で義務化されましたが、いち早く本格的に学べたのは、その後の人生において大きな糧になりました。皆さんもぜひ、高い目標を持って日経STOCKリーグに挑戦してみてください。

川﨑 健太氏
第17回(2016年度)敢闘賞受賞
チームリーダー
(神戸大学 羽森ゼミOB)