第2回インタビュー 杉田 ひな子氏
世界を体感できたニューヨーク研修

高校生のとき、私は国際交流などに取り組む部活「SGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)部」に所属していました。部の副顧問をしていた先生が、活動にどうかと紹介してくれたのが日経STOCKリーグです。私は最優秀賞の副賞だった「ニューヨーク研修旅行」に引かれ、クラスメートを誘って3人チームで挑みました。
最も難航したのは、投資テーマを決めることでした。本腰を入れて取り組むからには、3人ともが興味を持てるものにしたいと思い、話し合いを重ねました。
その中で出てきたのが、質感です。3人とも紙の本に触れる感覚が好きだったこと、メンバーの2人が服飾部で、布を選ぶ際は目で見るだけでなく手で触った感触を大切にしていることにヒントを得ました。そこから「『質感』を大切にする企業」という投資テーマが決まり、多様な質感を未来へ伝え、より豊かな社会をつくることに資するポートフォリオを考えました。
内容については私たち生徒が考え、先生は相談役として見守ってくれました。悩んだとき、行き詰まったときに的確なアドバイスをいただき、とても助けられました。
最優秀賞に選ばれたことを聞いたのは学校の試験期間中でした。まさか受賞するとは思っておらず、驚きのあまり実感がわきませんでした。どんなところを評価したかという審査委員のコメントを読んだとき、じわじわと喜びが込み上げてきました。3人でやり切ってよかったと心から思いました。
念願だったニューヨーク研修旅行はとても印象に残っています。特に国際連合を訪問できたのはうれしかったです。昔から国際公務員という仕事に興味や憧れがあったので、世界を体感できて感動しました。現地の企業や学校を訪問できたのも有意義でした。
最優秀賞で得た自信一歩踏み出す勇気に
日経STOCKリーグで最優秀賞をいただいたことで、自分にもできることがあるのだという自信が生まれました。その経験が、現在でも難しそうだな、自分にできるかなと思うような場面でも、思い切って飛び込む勇気を持つことにつながっています。実際早稲田大学へ進学を決めたり、大学で海外へ研修に行ったりなど、キャリアの選択の後押しにつながっています。
日経STOCKリーグでの学びを通じて、金融・経済への抵抗感は少なくなりました。一見、難しそうに見えることでも、自分で調べると分かることが多いことに気付き、学校の勉強にもプラスになりました。
私は日経STOCKリーグのことをすべて理解してから挑戦したわけではありません。何となく興味がある、何よりニューヨークに行ってみたいという気持ちで始めました。それでも得られたものは大きいと実感しています。参加するだけでも意味のあるコンテストです。少しでも気になったら挑戦してみるといいでしょう。
自分のやりたいこと、興味を持ったことには、一歩踏み出してみる価値があると思います。自身の思い込みなどで高い壁をつくらず高校時代は、様々なことに気軽にチャレンジしてみてください。

- 杉田 ひな子氏
- すぎた・ひなこ 第16回日経STOCKリーグ最優秀賞(愛媛県立松山東高等学校1年時)。人材採用が事業成長に与えるインパクトに関心を持ち、人材会社に就職(現職)。企業と働く人をつなぐ仕事に従事している。