2 「もうかっている企業」は何を見ればわかる?
「いい会社」を選ぶときの大事な判断基準のひとつが、「もうかっているかどうか?」…つまりその会社の「業績」だ。
どんなに優れた技術を持って、いい製品をつくっていたとしても、無駄な支出や借金が多ければ、やがてその会社は赤字になり、経営が立ち行かなくなってしまうかもしれない。着実に利益を出すことによって、長く経済や社会の発展に貢献していくことは、いい会社の大切な条件だ。
決算 / 財務諸表
会社は、どれぐらいのお金が入って、どれぐらい出ていって、その結果どのぐらい利益を出したのか? といったデータを定期的に発表している。これを「決算」という。
日本では年に1回、4月から3月までの1年間のお金の出入りを、計算して発表する会社が多い(そのほかに「中間決算」や「四半期決算」など、1年間の途中にも発表される)。
決算の内容をまとめた書類のことを「財務諸表」や「決算書類」などという。この書類を見れば、その会社の業績はいいか悪いか、利益は前の年に比べて増えているか減っているか、などがわかるんだ。
財務諸表と呼ばれる書類のうち、特に重要なのが「損益計算書」と「貸借対照表」の2つだ。
損益計算書は、一定期間にその会社に入ってきたお金(収益)と出ていったお金(費用)をまとめた書類だ。当然、出ていったお金より入ってきたお金が多い方が、その会社は儲かっているといえる。その会社の業績が最もよく表れる書類だ。
貸借対照表は、その会社が持っている財産や負債(借金のこと)などの金額をまとめた書類だ。その会社にどのくらい預金があるのか?土地や建物、工場の機械などの設備はどれぐらい持っているのか?銀行から借りているお金はどれぐらいか?などがわかる。