株式ってなぁに?

東インド会社とは? ~株式のルーツを探ろう!

この「株式を使ってお金を集める」っていうアイデアは、実際にはいつごろに、どんなプロセスで生まれたのだろうか?

これについては、いろいろな説がある。何しろ、かなり昔のことだからだ。最も広く信じられている説では、17世紀の初めにオランダ人が「東インド会社」をつくったときに株式を発行したといわれている。

東インド会社

東インド会社がつくられた時代は、大航海時代と呼ばれている。オランダやイギリス、そのほかヨーロッパの強国たちが、船で大海を航海して植民地を手に入れていった時代だ。当時は、航海に成功してアジアに無事たどり着き、アジアの香辛料をヨーロッパに持って帰れれば、莫大な利益が得られた。だけど、船をつくるには、巨額のお金が必要だったし、航海の途中で難破したり、海賊に襲われたりと、危険が常につきまとった。せっかく大金をつぎ込んでも、まったく利益にならないかもしれなかったわけだ。

そこで、もし船が災難に遭ったとしても、お金を出した人の一人ひとりの損失をできるだけ小さくできるよう、少数の人がお金を出すのではなく、大勢で出し合おうという考えが出てきた。そのため発明されたのが、株式だったんだ。

石油が買えるのも株のおかげ?

「たくさんの人にお金を出し合ってもらう」という考え方は、とても重要な役割を果たしている。実は、僕らが石油を買えるのも、株のおかげだともいえる。

石油が買えるのも株のおかげ

石油は僕たちが生活していく上でなくてはならないものだが、この石油が眠っている地下数千メートルの油田を探し当てる「石油開発」で、ひとつの穴を掘るのに数十億円かかる。もちろん運良く油田が見つかればたくさんの利益が入ってくるので、最初に使ったぶんのお金を取り戻せるはずだけど、期待通りの油田が見つかるのは、100回掘ったうちせいぜい2、3回ぐらいだという。

つまり、さっきの航海の例と同じで、石油の開発にお金を出すというのはかなり勇気がいるわけだ。いくら油田を掘りあてるのが大事だからといって、見つかるか見つからないかわからないのに、大金を払い続けようという人がそうたくさんあるわけじゃない。そこで、石油開発をするときにも、株式を発行して人々から資金を出資してもらう、というやり方をしているんだ。

ちょっとおおげさにいえば、僕たちが石油を利用できるのも「株式」のおかげということだね。

日野先生からのアドバイス

たくさんの人がお金を出し合ってリスクをできるだけ小さくする、という考えから発明されたのが株式です。