第15回日経STOCKリーグの実施記録や入賞レポートを掲載します。
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第15回(2014年度)実施記録
参加数
学年 | 中学 | 高校 | 大学 | 計 |
---|---|---|---|---|
学校数 | 23 | 89 | 116 | 228 |
チーム数 | 92 | 638 | 631 | 1,361 |
人数 | 335 | 2,361 | 2,471 | 5,167 |
各賞
最終審査委員会による厳正な審査の結果、第15回日経STOCKリーグの各賞およびNOMURA Award(特別協賛社賞)が決定しました。
※ レポート(PDF)に掲載されている個人情報および著作権の対象となる文書・画像等を一部非表示にしています。ご了承ください。
最優秀賞
お茶の水女子大学附属高等学校2年
Don't “Let it go”(ほっとかないで!) ~伝統工芸の良さに目を向けよう~(1,437KB)
【メンバー】
臼倉愛、宇津城瑞帆、大森さえ、小西一葉、橘あとり
【ポートフォリオ】
高島屋、良品計画、三越伊勢丹ホールディングス、西日本旅客鉄道、ソフトバンク、シチズン・ホールディングス、エイチ・ツー・オーリテイリング、サンリオ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、富士通、セブン&アイ・ホールディングス、象印マホービン、日本ユニシス、東日本旅客鉄道、アミューズ、日本和装ホールディングス
【審査委員講評】
殆どの審査委員が優れたレポートと強く推し、ほぼ満場一致で最優秀賞に選ばれた。第一に、日本の伝統工芸を支える企業に投資するという着眼点が良かった。第二に、経済産業省で話を聞き、また企業訪問も行うなど、フイールドワークをしっかり行っている点が評価された。かつて、民芸運動を起こした柳宗悦は、「手仕事の日本」の中で日本各地に残る伝統工芸を数多く紹介している。こうした点に光を当てる価値は伝統工芸の希少性が増すにつれ、一段と増していくように思える。
部門賞・中学部門
筑波大学附属駒場中学校2年
立ちはだかる壁を無くせ 障がい者雇用の今を知る(1,423KB)
【メンバー】
乘濵駿平、松下謙太郎、原田龍夫、中原康裕
【ポートフォリオ】
カカクコム、キリンホールディングス、日本たばこ産業、ヒューリック、ブックオフコーポレーション、ツムラ、ダスキン、
三菱マテリアル、キトー、竹内製作所、オムロン、良品計画、エフピコ、三井物産、西日本鉄道、センコー、東宝
【審査委員講評】
テーマである障がい者雇用の現状や課題をコンパクトにまとめ上げ、ポートフォリオは独創性を発揮しつつ分かりやすいものとなっています。また、全体の構成がよく整理されており、学んだことについて十分に述べている点も素晴らしいと思います。ダイバーシティの重要性が叫ばれている中で、障がい者雇用に前向きな企業を応援する熱意も感じられます。これからの日本を考えていくに当たって大切なテーマを論じた、良いレポートです。
部門賞・高校部門
筑波大学附属駒場高等学校1年
企業を育てる人財育成 ~次世代グローバルリーダーを求めて~(5,153KB)
【メンバー】
里正夫、魚住亮介、倉持勇汰、杉山晴樹、増渕健太
【ポートフォリオ】
サントリー食品インターナショナル、双日、味の素、旭化成、トクヤマ、富士フイルムホールディングス、資生堂、旭硝子、TOTO、富士通、三菱重工業、日産自動車、マツダ、キヤノン、ヤマハ、住友商事、オリックス、大阪瓦斯、ソフトバンク
【審査委員講評】
企業に必要な生産要素に、「ヒト・モノ・カネ」があるが、人材育成は企業にとって、重要な課題である。「リーダ資質」「グローバル資質」に着目して、企業の比較を行っている。日本の企業は、社員がグループで行動する仕事と、個々人による仕事の両面があると思う。どのように各社員の「やる気」を喚起するかも、企業によって異なる。多様な人材を育て、世界の企業と競える人材育成は、いつの時代にも必要であり、とても素晴らしいテーマを選択した論文であり、企業訪問も含めて、よく調べている。
部門賞・大学部門
神戸大学3年
「新」高齢社会 ~「君」(ロボット)と共に生きる未来~(3,303KB)
【メンバー】
高瀬悠、朝長陽介、林純生、堀口真末香
【ポートフォリオ】
TOTO、積水化学工業、トヨタ自動車、CYBERDYNE、東芝、パラマウントベッド、村田製作所、アズビル、住友理工、ソフトバンク、安川電機、NEC、富士通、ALSOK、みずほフィナンシャルグループ、NDソフトウェア、大和ハウス工業
【審査委員講評】
日本は、少子高齢化に直面し、人口は減少傾向になり、2060年には、高齢化率が39.9%にまで上昇するという予想である。高齢化の進展に伴い、老人介護が大きな課題となっており、6割以上の家庭で、同居している人が主な介護者となっている。介護者の排泄・入浴・食事・移乗・移動に苦労している家計が多い。ロボットによる高齢者の介護・リハビリロボットなど、需要が大きく存在する。日本の技術力により、介護ロボットを作っている企業の分析により、望まれる分散投資を導出している。数理的な分析も扱っており、受賞に値する論文である。
敢闘賞
立教池袋中学校3年
物流 ~Evolution of logistics~(1,987KB)
【審査委員講評】
学校の歴史の授業で学んだことを掘り下げて「物流」という難しいテーマに取り組んだ力作です。急速に増えている通信販売を陰で支える運輸業界を、実際に物流博物館やヤマト運輸、佐川急便の物流倉庫を訪問し、“自分たちの目で見て聞いて考える”ということを実践した努力と熱意が高く評価されました。物流の定義を広くとり、企業選びを工夫した点もストックリーグの趣旨にそっています。次は海外との物流という視点からも調べてみてください。
愛知県立愛知商業高等学校3年
FAIRTRADE ~私たちの今とミライ~(3,105KB)
【審査委員講評】
純真さにあふれた好感の持てるレポート。途上国の児童労働の解決という問題意識から銘柄選びに至るまでの思考の道筋や行動に一切の矛盾がなく、女子高生らしいソフトな装いの中にどこか骨太さも感じる力作でした。LINEに見立てたQ&Aなどビジュアルな工夫もお見事。「これからもよく勉強して立派な社会人になって!」と応援したくなる爽やかな読後感がありました。
同志社大学3年
LOCAL LOVE 企業 ~地域とともに発展する企業を発掘せよ~(1,868KB)
【審査委員講評】
地域とともに発展する企業をLOCAL LOVE企業として取り上げたのは面白い。京セラ、村田製作所、オムロンなどの京都企業に加え、神戸のシスメックス、浜松のエフ・シー・シーなど、良い企業を選んでいる。地方が衰退せずに発展するには、地域から世界につながることが欠かせない。ドイツの例でも、活力ある地方都市は数多く存在する。大学・研究機関の活用、強みのある産業に特化、熱意と専門性のある行政人材の確保などがポイントだ。こうした点にも目を向けたら良いだろう。
審査委員特別賞
立教池袋中学校3年
Energy Charge to Japan ~最新ドリンク市場~(3,649KB)
【審査委員講評】
売れ筋を調べるためにコンビニの飲料の陳列棚をエクセルに落とし込み、商品の変化を定点観測するという手法は独創的です。20P近くに及ぶその一覧表は圧巻。狂気ともいえるその執念に強い熱意を感じました。工場見学に行くなど自分たちの目で見て聞いて考えて、飲料というテーマをしっかり消化しようとする姿勢も良かった。
お茶の水女子大学附属中学校3年
都市型商業施設 ~街の再開発を担う企業戦士たち~(1,596KB)
【審査委員講評】
2020年の東京オリンピック開催に向けて、東京の街の再開発が急ピッチで進み、業績を伸ばす企業が数多く出てこよう。このアイディア自身は独創性が高いものではないが、ポートフォリオには建設、不動産、住設機器、小売り、電鉄等がバランス良く組み入れられていて、評価できる。また、銘柄選定前に企業訪問をし、その調査結果を生かしている点が良いとの意見もあった。
武相高等学校2年
【審査委員講評】
地元の工業地帯を歩いて丹念に調べています。環境・リサイクルの切り口、浅野総一郎という人物を取り上げた点も高く評価されました。投資企業の選定にあたって、敢えて財務分析を使わず、同工業地帯での面積や工場数、研究数等を用いて独自の指標を作っている点に独創性があり、地元に貢献する企業を応援したいという高校生らしい思いが伝わってきました。全体の構成や表・グラフ等の見せ方をもっと工夫するとよかったです。
法政大学2・3年
上場企業×未上場企業=∞ ~越境した個性が生み出すイノベーション~(1,529KB)
【審査委員講評】
オープン・イノベーションの観点から、「上場企業と未上場企業のアライアンス」に着目したのは独創的。本来なら対象から外れるはずの「未上場企業」を巧みにポートフォリオに組み込む工夫には感心しました。新聞などでもあまり報じられていないアライアンスの内容をよく調べており、フィールドワークも入念。強い熱意が伝わってきました。
入選
NOMURA Award(特別協賛社賞)
中学:筑波大学附属駒場中・高等学校 大野新 中学副校長
高校:
早稲田大学本庄高等学院 上田太郎 教諭
武相高等学校 宮越章子 教諭
大学:
慶應義塾大学 前多康男 教授
高崎経済大学 平井裕久 教授