1. いま聞きたいQ&A
Q

NTTドコモが公募増資を発表しました。調達する資金は8000億~1兆円といわれます。公募増資は株価にどのような影響を与えますか?

増資とは株式会社が資本金を増やすことです。増資の際には通常、株式を新たに発行します。
増資にはその時々のマーケットで付いている株価(時価)で新株を発行する増資と、額面価格で新株を発行する増資がありますが、一般的なのは前者の時価での増資です。時価と額面の中間の価格で新株を発行する中間発行増資といった増資の手法もあります。 企業が高水準の時価に基づいて新株を発行すると、資金調達額はそれだけ大きくなります。頻繁に売り買いが繰り返されて付いた時価に基づく公募増資は元々、株価の形成に中立的な要因なのですが、増資時点で株式相場が下落基調にあったり、市場への資金流入が細っているときには、公募増資自体が株式の供給増、需給関係の悪化と受けとめられて投資家から敬遠され、当該企業の株価が下げたりすることもあります。
逆に、相場全般が上昇基調にあったり、公募増資をする当該企業の銘柄の人気が高ければ、公募増資を積極的な経営展開の一環と捉え、株価が高くなるケースもあります。

ご質問への明確な答えになっていないと思いますが、公募増資の株価への影響はその時々のマーケットの動向次第で上にも下にも反応することがあると覚えておいて下さい。

今回のNTTドコモの公募増資に関しては、資金調達の見込み額が巨額であっただけに、市場関係者の間でも様々な論議を呼びました。「相場全般が低迷している時に何でこんな大型増資を強行するんだ」と公募増資そのものに強く反発する人もいました。
半面、「長い目で見れば、NTTドコモのiモード・ビジネスが世界規模で発展するチャンス」と前向きな評価する人もいました。国内と海外とでも、NTTドコモの公募増資に対する評価は分かれました。

ご注意:「いま聞きたいQ&A」は、上記、掲載日時点の内容です。現状に即さない場合がありますが、ご了承ください。

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