株式を売りたい人と買いたい人を結びつけるのが市場です。売りたい人と買いたい人が希望する銘柄、価格は様々ですが、両者が納得、あるいは折り合うことができる価格があります。これが市場で付く株価となります。
それでは、売りたい人が「価格はいくらになってもいいから、とにかく売ってくれ」という時はどうなるでしょうか。この場合は買いたい人が現れる価格まで株価は下がります。
一方、買いたい人が「価格はいくらになってもいいからとにかく買いたい」となれば逆に株価は大きく上昇します。このように、売りたい人と買いたい人の力関係で株価は決まっているのです。
以上のことから想像できるでしょうが、売りたい人と買いたい人が常時たくさんいる株式は株価が繰り返し何回も付き、株価も上に下にめまぐるしく動きます。しかし、品薄株(しなうすかぶ)は別です。品薄株とは売る人も買う人も少なく、市場で流通する株式が少量で、売買が成立する回数も少ない株式のことをいいます。品薄株では、よく「買い気配」「売り気配」と表示されることがあります。これは売買が成立せずに、買いたい人あるいは売りたい人の希望価格という意味になります。品薄株は買いたい時に株価が大きく上がり、逆に売りたい時は大きく下がる傾向にあります。
東京証券取引所は売買の希望価格や希望数量という情報の提供を昨年末から拡大しています。オンライン証券取引会社などがこれらの情報を提供していますので、一度見てみると実際の状況が分かって面白いかもしれません。