1. いま聞きたいQ&A
Q

配当に着目して銘柄を選ぶのは有効な投資法と言えますか?

定収入の魅力に加えて株価下支えの効果も

配当とは、企業が半期あるいは四半期ごとに利益を株主に分配するものです。投資家にとって配当は、株式を保有しているだけで定期的に手に入る収益であり、イメージとしては預貯金や国債の金利に相当すると考えていいでしょう。つまり、預貯金や国債の金利(利回り)と比較して配当の水準の方が高ければ、値上がり益(キャピタルゲイン)とは別に、配当(インカムゲイン)に着目して株式に投資することの意義が大きくなってくるわけです。

配当の金額は「1株当たりいくら」というかたちで決められます。配当の水準が高いかどうかを判断する際に基準となるのが「配当利回り」で、これは以下の計算によって求められます。

配当利回り=1株当たり年間配当金額÷株価×100(%)
※配当利回り、1株当たり年間配当金額ともに今期の予想ベース

ここ数年、個人株主を意識して多くの企業が配当政策を重視するようになりました。2007年1月末現在、東証1部全上場銘柄の予想配当利回りの平均値は1.16%ですが、電力・ガス、鉄鋼、海運、医薬品などの業種を中心に、「10年もの国債」の利回り(1.64%=2/27)を上回る配当利回りの銘柄も数多く存在します。

こうした高配当銘柄は現在、とくに個人投資家から大きな注目を集めています。前述したように定収入が得られるメリットに加えて、配当面での魅力が株価の下支え要因として働くという効果もあるからです。最近ではむしろ高配当銘柄が市場で人気化する傾向が強く、株価上昇によるキャピタルゲインも期待できるケースが増えています。

株価動向、財務内容、成長力をチェック

参考として、配当利回りの高い銘柄をいくつかご紹介しておきます。

配当に着目して銘柄を選ぶ際には、いくつか注意点があります。まず、「株価が下がると配当利回りは上がる」という関係にあること。単に株価が低迷しているために配当利回りが高くなっている銘柄もあるので、配当利回りの水準と同時に、株価の動向にも目を配る必要があります。

また、配当はあくまでも企業の裁量によって増減や有無が決められるものなので、現在は配当水準が高くても、それが今後も続くかどうかはわかりません。安定した配当はもちろん、将来的な減配(配当金の減少)を避け、増配(配当金の増加)を期待するという意味では、企業の財務内容が健全であり、今後の利益成長が見込めることが不可欠です。自己資本比率(株主資本が総資産に占める割合)や四半期ごとの業績の推移をしっかりチェックしておきたいところです。

一般には以上の条件をクリアしたうえで、配当利回りが2%以上ならば、高配当銘柄とみなすことができます。

ご注意:「いま聞きたいQ&A」は、上記、掲載日時点の内容です。現状に即さない場合がありますが、ご了承ください。

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