キャッシュフローとは日本語では現金収支と訳されるケースが多く、企業が期間中に資金をどれだけ増やすことができたかを示す財務指標です。
製品やサービスの販売や原材料の調達、人件費や設備投資の支払い、銀行からの融資や返済など、実際におカネがどのように流れて、増やすことができたのか、減らしてしまったのかを計算します。
従来は簡略的に「キャッシュフロー=税引き利益-配当金-役員賞与+減価償却費」として算出することが多かったようです。減価償却費とは企業が工場や機械など設備投資をした後、設備の陳腐化や老朽化に備え一定の金額や割合で費用に計上することです。実際にはおカネの支払いを伴いません。このため、様々な収入や費用を計算してでてきた税引き利益から配当金や役員賞与として外部に流出したおカネを差し引いた後に、減価償却費を加えることによって、実際のおカネの収支と考えました。帳簿上の最終的な収支は赤字であっても、減価償却費が大きければ、キャッシュフローはプラスになることもあります。
キャッシュフローが大きければ、借入金などへの依存する度合いが小さくなります。
企業は現在、経営の主眼を売上高や単なる利益ではなく、このキャッシュフローをいかに拡大するかというところに置く「キャッシュフロー経営」を進める企業が増えていますし、キャッシュフローを発行済み株式数で割って得た「1株当たりキャッシュフロー」は株式投資の尺度としても利用されています。
最近では実際の資金収支を細かく計算したキャッシュフロー計算書の開示が義務付けられており、本業である営業活動に伴うキャッシュフロー、融資や株式の発行など財務活動に伴うキャッシュフロー、設備投資に伴うキャッシュフローなど、区分して開示されています。