16 景気循環ってなに?
好景気はいつまでも続くのでしょうか?
景気がよい時は、人々の購買意欲が増加するので、モノが売れ、生産が増えます。しかし、生産を増やしすぎると、いつかモノが溢れるときがやってきます。
モノをつくる活動が、人々の消費の量を上回り、在庫が大きく増えてしまうと、企業は在庫がある程度減るまでモノの生産を控えるようになります。
生産量を下げると、企業活動が縮小し、景気が後退。人々の購買意欲も低下して、物価も下がっていきます。しかし、人々が生活するためには、最低限の消費は必要なので、物価がいつまでも下がり続けるということはありません。
政府の景気政策などもあり、再び消費が上向いてくる時が訪れます。
まとめ
景気は一般に、良くなったり悪くなったりという波を繰り返しています。このことを「景気循環」といいます。
景気循環にはさまざまな要因がありますが、代表的なものに、在庫の量に関連して起こる「在庫循環」があります。この循環を発見したとされる経済学者の名前から「キチンの波」ともいわれます。
そのほか企業の設備投資(工場を新設したり生産設備を購入したりすること)に関連して約10年の周期で起こる「ジュグラーの波」、技術革新に関連して起こる「コンドラチェフの波」などがあります。