12 株価よりも企業を見つめてみよう・・・株式投資の心構え
これから株式投資を始めようとしている人、始めたばかりの人に向けて、いくつかアドバイスをしておこう
毎日の株価変動を気にしすぎないこと
株式投資を始めたばかりの頃は、どうしても毎日の株価の動きが気になってしまう。株価が少しでも下がったりすると、「この銘柄を選んだのは失敗だったんじゃないか?」と思ってしまう。
銘柄を選ぶ時、その会社の業績や株価データなどをじっくり調べてから、その株式を買ったはずだ。どんな銘柄でも、株価は上下する。株価をチェックすることは大切だけど、毎日のちょっとした変動を気にするよりは、むしろテレビのニュースや新聞を見て、その企業の業績を大きく左右するような出来事が起こっていないかをチェックしよう。その企業がキミの期待通り業績を上げているなら、株価も少しずつでも上昇していくと考えられる。
毎日の株価の変動を見ながら、売り買いを頻繁に繰り返し、利益を得る・・・という株式投資のやり方も、あるにはある。でも、この方法は大変だし、成功するのは難しい。
ある程度の期間、株式を持ち続けるつもりで株式投資をしよう。短期的な株価の動きに惑わされにくくなり、おのずと企業の業績や将来性などに目が向かうはずだ。
「分散投資」の効果を忘れない
投資の利益はあくまでトータルで考える。一攫千金を狙わないこと。
仮に、A社・B社・C社という3つの銘柄の株式を50万円ずつ買ったとする。そして、その後にA社の株価だけがとても上がり、A社の株式が80万円で売れたとする。つまり、30万円のキャピタル・ゲインが得られたとしよう。
こんなとき、「全部のお金をA社の株式に使っておけばよかった」などと思わないこと。あくまで、3つの株式を買っていたからこそ、30万円のキャピタル・ゲインが得られたんだ。
どんな投資のプロでも、手持ちのお金を短期間で何倍にもするのはほとんど不可能で、全体の1割でも増えれば上出来だといわれている。キミも、全体で少しずつ利益を出していくことを目指すべきだ。
購入した株式を見直すときのルールを決めておく
せっかく悩んだ末に買った銘柄でも、その会社の業績が予想に反して悪化してしまい、株価の値下がりが長く続いてしまう可能性もある。そういう場合には、その株式を無理に持ち続けないで、売り払ってしまうことも必要だ。
このときも大事なのは、「一時的な株価の動きに惑わされないで判断する」、ということだ。
自分の買った株式を持ち続けるか、売ってしまうかという判断に、自分なりのルールを決めておくのもいい。例えば「半年ごとに、株式を売るかどうか判断しよう」とか、「最初に買ったときの値段よりも20%以上値下がりしたら、売り払うことにしよう」というふうに決めておくと、持ち続けるにせよ売り払うにせよ、判断が一時的な株価の動きに左右されにくいだろう。
自己責任の意識を持つ
人に勧められ、実際に買って、本当にもうかった・・・というケースもある。しかし、これでは自分で会社の業績や株価動向を読み解こうとする姿勢が生まれないし、もし損をしてしまった場合に、自分の責任として受け止めることもできない。
どの株式に投資するのかという判断は、必ず自分でして、仮に悪い結果となっても自分の責任として受け止める。これが「自己責任」の考え方だ。
自己責任の意識を持って株式投資にのぞめば、おのずと目先の株価の動きだけでなく、その会社の業績などをより深く知ろうとするし、結果的に“いい会社に投資して、経済の発展に貢献する”という株式投資の本来の姿勢も自然と身についていく。