第22回日経STOCKリーグの実施記録や入賞レポートを掲載します。
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第22回(2021年度)実施記録
最優秀賞
愛媛県立今治北高等学校 2年
Sail to the Sustainable Future
~クリーンエネルギーで舵を切れ~(4,009KB)
【ポートフォリオ】
日本触媒、宇部興産、ジェイ エフ イー ホールディングス、三浦工業、住友重機械工業、古野電気、三菱重工業、川崎重工業、三井物産、住友商事、伊藤忠エネクス、伊予銀行、東京海上ホールディングス株式会社、日本郵船、商船三井、伏木海陸運送、スカパーJSATホールディングス、長栄海運、ケッペル・コーポレーション、インターナショナル・コンテナ・ターミナル・サービシズ
【審査委員講評】
地元の今治造船を調べることにより、世界と結ばれる海運業の歴史、海上保険の役割り、環境問題との関連へと幅広く分析を進め、市役所や企業インタビューを通じて造船業の変化を学習し、関連する幅広い銘柄の特徴を調べ、ポートフォリオ選択へと進めている力作である。また、地元企業の地域活性化への貢献についても言及し、地域経済との関連についても勉強している。
部門優秀賞 中学部門
筑波大学附属駒場中学校 3年
【ポートフォリオ】
東レ、アイサンテクノロジー、日機装、三菱電機、日本電気、デンソー、川崎重工業、トヨタ自動車、本田技研工業、SUBARU、丸紅、兼松、住友商事、SOMPOホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、東京海上ホールディングス、ヤマトホールディングス、日本航空、日本電信電話、ゼンリン
【審査委員講評】
株式投資では、将来の変化を考えて長期的に投資を行い、成長可能性のある分野に資金配分をすることにより、世界に先駆けて先端技術の進歩を促し、将来の一大輸出産業が形成できれば、日本経済への貢献も大きい。空飛ぶクルマは、このような未来の方向を考える一つのテーマとして面白い。長期の株価の動き、直近のコロナ禍の株価の動きの両方の推移を見ながら分析を進めている。また、企業の女性活用、環境面の取り組み、自治体との連携など、幅広い視点からスクリーニングを行っている。
部門優秀賞 高校部門
お茶の水女子大学附属高等学校 2年
STOCK de STOCK
~服のセカンドライフからファッション革命を起こせ!~(3,720KB)
【ポートフォリオ】
グンゼ、三越伊勢丹ホールディングス、倉敷紡績、帝人、東レ、セーレン、良品計画、ユナイテッドアローズ、オンワードホールディングス、ゴールドウイン、デサント、青山商事、ファーストリテイリング、グラシム・インダストリーズ
【審査委員講評】
ファストファッションによる大量生産、大量廃棄による環境破壊等に目を向けた優れたレポート。具体的には、環境に配慮した製品作りや使用後製品の回収による循環型社会を目指すアパレル企業や店頭で引き取ったスーツを古着としてリユースしたり、綿状に加工し毛布を作り、災害発生時の支援物資に活用する企業などに投資をし、環境問題の改善につなげようとしている。また、ポートフォリオ作成過程で、アンケートや企業訪問を実施、丁寧なレポート作りも光った。そのほか、女性活躍への強い意欲、文章のうまさなども総合評価した。
部門優秀賞 大学・専門学校部門
同志社大学 3年
Beyond Borders
~地域からの挑戦~(3,143KB)
【ポートフォリオ】
NECネッツエスアイ、日鉄ソリューションズ、PCI ホールディングス、アイカ工業、宇部興産、日本電気硝子、TOTO、安川電機、日本電産、オムロン、浜松ホトニクス、村田製作所、ヤマハ発動機、島津製作所、内田洋行、SBI ホールディングス、KDDI、SCSK、ベネッセホールディングス、インフォシス
【審査委員講評】
読んでいて勉強になるだけでなく、ワクワクさせてくれる優秀作。地域経済の衰退という日本が直面する課題に対し、成長する海外市場と結びつき外貨を獲得できるローカルハブ(LH)の形成という処方箋を提示したうえで、その基盤形成の中核を担いうる企業とそれを支援するサポート企業を選定してファンドを構築するという流れが見事だ。大学での研究も踏まえ定性的な評価項目に工夫をしている点、出来上がったファンドを他ファンドと比較して投資家目線で検証を行っている点、投資対象となる中核企業11社が位置する地域経済圏の分析も行っている点も高く評価された。
敢闘賞
女子学院中学校 3年
水産業に!カムカムエヴリバディ
~持続可能な水産業に向けて~(10,297KB)
【審査委員講評】
世界とは対照的に、日本では衰退傾向にある水産業に光を当て、その歴史や現状、海外との比較などの分析をしたうえで、サステナビリティの観点から成長の可能性について論じている。投資テーマの設定にあたり、中学生の自分たちでも正確にわかること、世界の課題解決につながるという点にこだわっている点も好感が持てた。後記でも述べているように、自分たちで作ったポートフォリオの振り返りが不足していた点が残念だった。複数の審査員から、文章力の高さは群を抜いているとの声があった。
武相高等学校 2年
【審査委員講評】
テーマが似かよりがちな中、若い人を中心に広がってきている男性のメイクというこれまでにないテーマに着目した点が非常にユニークで、独創性はピカイチ。これからの分野ということもあり、他のレポートのように多様な視点を盛り込んだポートフォリオの選定や資金配分は難しかったかもしれないが、それがかえって無理なこじつけを生じさせず、素直に読めるものとなっている。企業取材も丁寧に行っている点も評価。
東京大学 3年
FUTURE VISIONER
~未来図を描く~(4,197KB)
【審査委員講評】
企業の業績は、現時点の経営成績、キャシュフロー等の状況ばかりでなく、将来予測開示を行っていくことが必要とされている。不確実性のもとで、将来利益や配当の予測可能性の高い企業を、効率化指標を用いて選別し、経営者報酬、社外取締役比率などを用いて経営者能力の分析を手堅く行っている。選別された業種の特徴や、予想されなかった状況への対応も長期的な企業の成長には必要である。
アイデア賞
洗足学園中学校 3年
【審査委員講評】
ビーフレス(牛肉消費の少ない)未来へ――。人々の食生活が豊かになり肉の消費が増えると、地球環境への負荷はどんどん大きくなる。高い問題意識で世界の食生活と地球環境を分析し、昆虫食や代替肉などの将来性に着目した。学内アンケートでは生徒の関心を広く調べ、成長性と課題の両面から浮かび上がらせた。企業ヒアリングも疑問をしっかりぶつけ、企業側も参考になったはずだ。若い人への普及や国産の可能性にも触れ、深みのある研究となった。
筑波大学附属駒場中学校 3年
AGAINST DISASTER
~投資の力で災害を乗り越えろ~(4,893KB)
【審査委員講評】
震災学習で宮城県を訪れ、災害の突発性、危険性を身に染みて感じ、災害対策をテーマに取り組んだ優れたレポート。具体的には、①通常事業として災害対策に携わる企業、②災害時の事業継続に力を入れる企業、③CSRとして被災地支援に貢献する企業の3つに着目し、ポートフォリオ作りを行った。今回、アイデイア賞を授与する一つの理由は、スクリーニングに東日本大震災時等の株価の反応を応用していることだ。株式市場の評価を参考にするという発想は重要だ。そのほか、能美防災などを取材し直接話を聞くことの重要性を学んだのも良かった。
静岡県立藤枝東高等学校 1年
Design Power
~うちらのウケデザインに迫る~(2,260KB)
【審査委員講評】
自分たちらしさを大切にして、身の回りを見つめて選んだテーマが「デザインの力」。自分たちのよくいく店を起点に、デザインの魅力を考えていくという、高校生の等身大の研究姿勢に好感がもてた。企業の評価にどのようにデザインをポイント化していくかで工夫し、企業HPのインパクト具合から独自の「JKポイント」を付加したのもユニークだった。デザインと環境、デザインと経営といった流れに研究が進み、学んでいく足取りがよくわかった。
市立札幌開成中等教育学校 4年
Connect
~人とつながり、未来へつなぐ~(13,070KB)
【審査委員講評】
企業と投資家、消費者、労働者との繋がりが企業の持続的な成長に必要だとの考えに基づき、ポートフォリオづくりを行ったユニークなレポート。具体的には、①投資家からの評価が高い企業をROE等を使い選別、②消費者、顧客とのつながりをHP等でチェック、③労働者、従業員とのつながりを働き方や労働環境などで評価し、最終的に日本企業12社、アジア企業5社、合わせて17社選んでいる。株主から見て良い会社であるとともに、ダイバーシテイ、健康経営など今日的な評価も高い企業が選択されている。フィールドワークへの評価も高い。
法政大学 2・3年
SMART MEDICAL
~求められる医療現場の創造的破壊~(5,093KB)
【審査委員講評】
コロナ禍で重要性が改めて認識された医療ICTについて、自分たちで問題意識を持ち、必要だと考える技術・DXソリューションを丁寧に抽出し、分析している。その結果、ポートフォリオの選定に至る思考過程が明確に論じられており、地に足の着いたレポートに仕上がっていると評価。文章も簡潔で分かりやすい。パフォーマンスも良さそうなので、投資家へのアピールがあれば更に良かった。
同志社大学 3年
【審査委員講評】
新しい社会のあり方として注目されつつあるコモンズと、目下大注目のメタバースを掛け合わせた意欲作。着眼点が非常に良い。それ故、ポートフォリオに落とし込む過程で指標の設定にやや無理があるように感じられること、仕上がりとしてメタバースの要素に偏りがあるように見受けられる点がやや残念であるが、「守り」に入らず、難しい分野に果敢に挑戦した点を高く評価。
ルーキー賞
軽井沢風越学園 7・8年
【審査委員講評】
私たち人間が生きていくうえで欠かすことができない水資源について、「上下水道の老朽化」「河川の水質汚染」「水不足、水戦争」という3つの解決すべき課題を設定したうえで、課題解決に必要な技術を「管」「膜」「(発)電」という視点から調査し、企業インタビューも行っている力作。第3スクリーニングで、SDGsの取り組みなどもネットで調べる等して、自分たちが目指す社会にふさわしいかを軸にして銘柄を絞るなど、サステナビリティ投資を実践している点が高く評価された。
大阪府立三国丘高等学校 2年
【審査委員講評】
ちょっと勉強を離れて気分転換し、またやる気が湧き上がってくる活動は何だろう。自分たち高校生にとって胸の高鳴るものが何かをアンケートから導き、投資を考える起点にした。音楽、寝る、動画、美味しいもの、ゲーム、本がテーマになったが、並んだ結果は高校生が好きなもの。大人の手によるマーケティングとはひと味異なる、高校生目線で消費マーケットを考えたともいえるし、そこをつかめる企業に成長性が宿っているのだと思える研究だった。
特別賞
入選
NOMURA Award(特別賞)
中学:
筑波大学附属駒場中・高等学校 山本 智也 教諭
高校:
関市立関商工高等学校 棚橋 英一 教諭
京都産業大学附属高等学校 上羽 敏仁 教諭
大学:
日本大学 吉田 博之 教授
参加数
学年 | 中学 | 高校 | 大学 | 専門 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
学校数 | 40 | 131 | 140 | 5 | 316 |
チーム数 | 294 | 618 | 781 | 26 | 1,719 |
人数 | 1,288 | 2,410 | 3,254 | 94 | 7,046 |