1. いま聞きたいQ&A
Q

減損会計ってなんですか?

株式や不動産など資産の実勢価格(時価)が帳簿価格(簿価)を大幅に下回る場合、時価に合わせて簿価を変え、損失を計上する会計処理方法です。日本企業が保有する資産は一部を除いてこの減損会計が義務付けられていません。

バブル崩壊後、長期間にわたって地価が下落してきたことで、「日本企業の資産は実態よりもかなり過大評価されているのではないか」「決算報告書では資産と負債のバランスが取れているようにみえるが、実態の資産はもっと少なく、負債の方がはるかに多いのではないか」といった疑念が投資家からもたれています。
そこで、現在、先進国では一般的な減損会計を日本にも導入しようという動きが強まっています。含み損を抱える不採算の資産の売却や有効活用を促して、企業の体質を強化することで経済の構造改革につなげようという狙いもあります。

すでに、2001年3月期から有価証券に時価会計が導入されたのに伴い、親会社が保有する子会社株の評価に減損処理が義務づけられました。土地や工場設備など有形固定資産を対象とする減損会計の基準は企業会計審議会で作成作業中です。2004年3月期決算から導入すべきという声も強まっていますが、巨額の含み損の表面化を恐れる産業界を中心に反対論が根強くなっています。

ご注意:「いま聞きたいQ&A」は、上記、掲載日時点の内容です。現状に即さない場合がありますが、ご了承ください。

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