外国に投資するということ

外貨投資・外国投資の種類を知ろう!~ 外貨預金・外国投信・外債・外国株

日本で外貨投資・外国投資をする手段としては、主に次のような金融商品が挙げられる。それぞれの特徴や、利用するときの注意点を簡単に紹介しよう。

外貨預金

アメリカのドルや欧州統一通貨ユーロなど外国の通貨(外貨)で預金する方法だ。日本の銀行や、外国銀行の日本支店などに口座を開設することで利用できる。

外貨預金

そのしくみは日本の「円」による通常の預金と基本的に一緒だ。金利の水準は通貨を発行している国によって違うので、金利の高い通貨の外貨預金を利用すれば、日本円での預金よりも多くの利息が得られる場合がある。

しかし、外貨預金にも「為替リスク」があるので注意が必要だ。日本円での預金では原則として自分が預けたお金が減ることはないが、外貨預金の場合、為替相場が預けた時点よりも円高になると、日本円に換算した預金額が目減りしてしまうことになる。これは通常の預金とは全く異なる特徴だ。また外貨預金をする際には、日本の円を外国通貨に交換することになる。その際、為替手数料が発生することも覚えておこう(「為替手数料のしくみを知っておこう」参照)。

外国株式

日本にいながら、外国企業の発行した株式を購入することもできる。もちろん日本国内にも優れた企業は多数あるけど、海外に目を向けるとグローバルに事業を展開する有力企業や高い成長性を秘めたベンチャー企業などがある。そうした企業に投資できるのが外国株式の魅力だ。

外国株式

ただし、国内での株式投資と同様に各種のリスクがあるのに加えて、為替リスクやカントリーリスクがある。

なお外国株式に投資する方法としては、日本国内の証券会社を通じて外国の証券業者に売買注文を出し、海外の取引所に上場している株式を売買する方法(外国委託取引)や、日本の取引所に上場している海外企業の株式を売買する方法(国内委託取引)などがある。後者の場合は、株価は円で表示され、国内株式と同様に取引できるので、為替リスクは避けられる。

外国債券

外国債券

外国の政府や企業が発行した債券のこと。その国の通貨単位で購入する「外貨建て外国債券」のほか、日本の円で購入できる「円建て外国債券」、円で購入して満期にドルの形でお金が戻ってくるなど、異なる通貨単位が用いられる「二重通貨建て外国債券」というのもある。

外貨建ての債券の場合は当然為替リスクがある。そのほかのリスクについては「投資手段としての債券の特徴とリスク」を参照してほしい。

外貨建て投資信託など

投資信託とは、広く人々から募ったお金を複数の株式や債券などに投資して、それによって得た収益を分配する金融商品だ。その中には、海外の株式や債券などを投資対象としているものもあるので、これを利用して外国投資に挑戦する方法もある。

外貨建て投資信託など

外国に投資するタイプの投資信託には、
(1) 米ドルやユーロ、英ポンドなど外貨建てで購入するもの
(2) 日本円で購入できるもの
の2種類があるが、注意したいのは、どちらにも「為替リスク」があるということだ。(2)の場合、預けたお金は日本円でも、結局それは外貨に換えられて海外の株式や債券などに投資されるので、為替相場の変動によっては投資した額が増えるどころか減ってしまう場合もあるからだ。

※ (2)のタイプの投資信託には、為替変動による損失を打ち消すような取引(為替ヘッジ)を取り入れているものもあります。

日野先生からのアドバイス

外貨預金のしくみは円預金と基本的に一緒です。ただ、「為替リスク」のことや「為替手数料」がかかることを知っておく必要があります。