お金の歴史雑学コラム

日本のお札に含まれる9つの技術

日本のお札の印刷技術は、偽造防止のため発展してきました。日本のお札には世界に誇る技術が詰まっています。

図:日本のお札の偽造防止技術

図:日本のお札の偽造防止技術

1.高精細すき入れ(すかし)

紙を光にすかすと肖像などがあらわれます。

2.すき入れバーパターン

一万円札・五千円札・千円札には、何も書かれていない白い部分以外に、それぞれもう一か所ずつ、すかしがあるのを知っていますか?肖像画の向かって右側です。「すき入れバーパターン」と呼ばれるすかしで、一万円札には3本、五千円札には2本、千円札には1本のタテの棒線が入っています。

3.マイクロ文字

お札をよく見るとわかりますが、肖像画の顔や「日本銀行券」「10000」といった文字はすべて、とても細い線や点で描かれています。仮にカラーコピー機などでコピーしても再現できないほど細いもので、これも偽造防止策のひとつです。さらに、虫眼鏡で見てもよく見えないほど小さな「マイクロ文字」もたくさんちりばめられています。お札の表と裏に「NIPPONGINKO」の文字がたくさん印刷されていますので、みなさんも見つけてみてください。

4.特殊発光インキ

紫外線をあてると、印章部分や模様の一部が光るように特殊なインキが使われています。

5.ふか凹版おうはん印刷

お札の肖像部分などの主な図柄は、凹版印刷という印刷方式が使われています。額面数字や識別マークには、特にインキを高く盛り上げる「深凹版印刷」が使われ、触るとざらざらした感じがあります。

6.3Dホログラム

角度を変えると、肖像が回転して見え、肖像以外の図柄も見る角度によって変化して見えます。

7.潜像模様

お札を傾けると、額面数字(裏面は「NIPPON」の文字)が見えます。

8.パールインキ

お札を傾けると左右両側にピンク色の光沢が見えます。

9.識別マーク

目の不自由な人が認識できるよう、指で触るとザラザラしています。

監修:野村ホールディングス

1925年設立。グローバルに拠点をもつ金融サービス・グループ。
幅広い世代を対象とした金融経済教育にも取り込んでいる。

野村ホールディングス