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第25回(2024年度)実施記録

第25回日経STOCKリーグの実施記録や入賞レポートを掲載します。

応募総数1,300レポート
(中学114、高校645、大学531、専門学校10)

一次審査通過(211レポート)

二次審査通過(115レポート)

二次審査を通過したチームには、入選として賞状を授与いたします。
(※入賞チームを除く)

入賞

入賞(20レポート)

見事入賞に選ばれたチームは、3月15日(土)大手町にて開催される表彰式にご招待いたします!

最優秀賞

最優秀賞

東京大学 3・4年

EXPERTNER
~“The Blueprint for Next-Generation Japanese Corporations”~(4,183KB)

【ポートフォリオ】
ブロードリーフ、デジタルハーツホールディングス、GMOリサーチ&AI、ギガプライズ、ラクスル、ロート製薬、ブリヂストン、ダイキン⼯業、⽇本航空電⼦⼯業、いすゞ⾃動⾞、スズキ、ヤマハ発動機、朝⽇インテック、サンリオ

【審査委員講評】
日本企業の形態は、サプライヤーシステムである垂直的系列と政策保有株式を通じたメインバンクを終身とした強固な資本関係によって支えられてきた。しかし、複数の事業を横並び展開するコングロマリット化は、「明確な強みを持つ少数のセグメントに特化した専業企業」の優位性も顕在化している。本レポートはこれらの投資対象をExpertnerと名付けて高次元で実証分析を行っており、高く評価したい。ただし、特化した分野に大きなショックが発生した場合には、弱い局面に遭遇する可能性もあると考える。

部門優秀賞

部門優秀賞 中学部門

軽井沢風越学園 9年

月面経済圏
~人類の可能性はどこまでも~(2,395KB)

【ポートフォリオ】
高砂熱学工業、日本特殊陶業、日立製作所、東芝テック、横河電機、三菱重工業、IHI、トヨタ自動車、ホンダ、島津製作所、ニコン、キヤノン電子、東京海上ホールディングス、ispace、アストロスケールホールディングス

【審査委員講評】
月面調査機「SLIM」の活躍などから「月」という潜在市場の可能性について、大胆だがテーマ立てがしっかりした仮説をたて、4テーマと「月面経済圏」を実現するまでの工程表を作るなど、論理展開は見事だった。宇宙産業に関わる上場企業にとどまらず、スタートアップまでテーマに結びつけた取材ができている。ポートフォリオの構成とビジネスチャンスを含めた結論への展開は論理的。高く評価できる。

部門優秀賞

部門優秀賞 高校部門

松本秀峰中等教育学校 1年

日本人の微意識(4,524KB)

【ポートフォリオ】
ダイダン、DM三井製糖ホールディングス、フジ日本、明治ホールディングス、キリンホールディングス、味の素、エスビー食品、太陽化学、長谷川香料、東洋製罐グループホールディングス、シグマクシス・ホールディングス、ダイキン工業、横河電機、エスペック、島津製作所、TOPPAN ホールディングス、伊藤忠商事、長瀬産業、三井不動産、テレビ東京ホールディングス

【審査委員講評】
われわれの生活では、たんぱく質の摂取は欠かせない。しかし、世界全体の人口が増加し続けている中で、たんぱく質の需要増加に供給が対応できるか、2050年にはタンパク質の供給不足が懸念されている。こうした中、本レポートは「精密発酵による食品」、「マイコプロテイン」、「微細藻類」、「CO₂を炭素源とする微生物そのもの」の4つの微生物食品を「PSMiM(ピスミム)」と独自に定義し、「PSMiM」によってタンパク質危機を解決しようというオリジナリティにあふれた力作である。微生物から作られるたんぱく質は動物性食品よりも効率的かつ環境負荷も少ないと言われており、日本で開発されている代替たんぱく質のそれぞれのメリット/デメリットも分析するなど、着眼点がとても興味深い。

部門優秀賞

部門優秀賞 大学・専門学校部門

東京大学 3・4年

The Principle of Families(6,511KB)

【ポートフォリオ】
⼤林組、江崎グリコ、アスクル、⽇清⾷品ホールディングス、DIC、オービック、ポーラ・オルビスホールディングス、ブリヂストン、DMG森精機、ディスコ、セガサミーホールディングス、エレコム、エンプラス、トヨタ⾃動⾞、⽇本ライフライン、フジシールインターナショナル、稲畑産業、SGホールディングス、ダイセキ、 ニトリホールディングス

【審査委員講評】
同族企業がそのデメリットを抑えながらメリットを最大限に発揮するための原理(Principle)を提案する秀作。広範な先行研究をもとにした整理から、スクリーニング法を導く論理展開とまとめ方が明晰である。分析は深く丁寧で、文章も分かりやすい。実際に同族企業で創業家の「光と影」のバランスをいかにとるかは、難しいテーマである。レポートは現実に即する面も多く、経営者、株式運用者の双方にとってヒントを含むと高く評価できる。

敢闘賞

敢闘賞

横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校 3年

CH4LLENGE(1,770KB)

【審査委員講評】
廃棄物マネジメントという静脈産業の重要さを気づかせてくれる秀作。メタン発酵バイオガス発電の可能性に着目し、投資を通じて社会課題を解決しようという意気込みや、ニッチな技術分野で難しいテーマに挑戦している点が高く評価された。また、投資テーマの有用性を読み手にしっかりと伝えることができており、複数のインタビューを実施して得た視点をスクリーニングにどう活かしているのかの説明も的確で、その表現力の高さも評価された。エコなバイオガス発電が広がらない理由の考察や普及の提案があれば・・・という声があったことも付記しておく。

神奈川県立相模原中等教育学校 4年

傷跡に咲く花
~災害レジリエンスで被災地の未来を考える~(2,985KB)

【審査委員講評】
自然災害が多発する日本において、災害をしなやかに乗り越える災害レジエンスという概念に取り組んだ意欲作。文献調査や官公庁等へのインタビューを通じて、自分たちなりに仮説を作り上げていく展開が見事だった。投資銘柄もアジア企業までよく調べ、選定理由も企業の沿革や復興にどう関わっていくのかを簡潔・的確に説明できている。一方で、意欲のあまりやや総花的になってしまい、文字量が多くなってしまっている。レポートとしての魅力を高めるためには、最後に一部捨てるという判断をしてもよかったかもしれない。

渋谷教育学園渋谷高等学校 2年

レアメタル・de・アツメタル(2,214KB)

【審査委員講評】
レアメタルの重要性に着目し、日本で取材しうる関係企業、研究機関にきめ細かく取材・研究を重ねた努力に敬意を表したい。難しいテーマを独自の視点でたどって仮説を立て、フィールドワークで取材する過程では本質を捉えた指摘が数多く見られ、「気づき」をたくさん得ることができた。レアメタル分野の潜在可能性の分析も要所をしっかり押さえており、高いレベルの研究を実現できている。

神戸大学 3年

Shareholder Innovation
~企業を株主提案で変革する~(5,433KB)

【審査委員講評】
株主提案とアクティビストという旬なテーマから、改善可能性が期待できる企業を、膨大なデータ収集と分析を行い、かつ独自のスクリーニングで選び出している意欲作。アカデミックな検証・考察に裏付けされており、スクリーニングのプロセスや投資配分も論理的かつ明瞭に説明できている点や、構成銘柄の企業のガバナンス面からの強み弱みを可視化する工夫等が高く評価された。完成度が高いだけに、アクティビスト側だけでなく株主提案を受けた企業側の声もヒアリングしてみて欲しかった。

同志社大学 3年

地方革新(7,872KB)

【審査委員講評】
歴代政権が政策に掲げても有効な手立てを打ち出せていないテーマに切り込んだ力作。投資テーマの設定にあたり、フィールドワークを含め丁寧に行ない、地方創生の現状分析や課題の抽出が論理的に展開されている。47都道府県地域資源調査はユニークだった。ポートフォリオ分析にとどまらず、経済・社会的波及効果の推計を行っており、社会的課題解決型の投資として高く評価できる。常連校であるが故の陥りやすいマンネリを克服、進歩を感じたが、「G」を考慮するなら、最終ポートフォリオに、問題のあった銘柄を残すべきかどうかという検討があってもよかったと思う。

アイデア賞

アイデア賞

市立札幌開成中等教育学校 3年

睡眠を熟眠へ 経済成長と健康を(2,820KB)

【審査委員講評】
睡眠と健康・経済成長を結びつけたテーマ設定、そしてスリープテックへの展開は、とても面白かった。この道の権威である柳沢教授へのヒアリングの実施は、その実行力も含め大変すばらしい。一方で、睡眠という身近なテーマでもあるので、一般企業や、周辺へのヒアリングなどがあればなお良かった。スクリーニングでは、第4段階において、環境、社会的責任、ガバナンスなども含めて行っており、精緻で丁寧な取り組みをしている。

愛媛県立松山南高等学校 1年

ジパング革命
~海底資源×都市鉱山~(4,279KB)

【審査委員講評】
資源・エネルギーを輸入に頼る日本の課題について、海洋資源、都市鉱山を結びつけて論じた。やわらかな発想力で問題を掘り下げていく過程がよく表現できている。政策や資源採取の動向を詳細に調査しており、問題意識に沿って図解・取材を通じて深く理解した上で、高いレベルのレポートに仕上がっている。

開智日本橋学園高等学校 2年

昆虫の時代、来いっちゅーの!(10,449KB)

【審査委員講評】
日本ではイナゴなどの昆虫を食材として使っている地方もあり、高い栄養価のある昆虫に国際連合も着目している。しかし昆虫の大規模生産が世界的に見ても進んでいないため、生産コストが高く、昆虫食品の値段が高くなり、消費者の需要も低迷しているのが日本の現状である。生産/流通/消費の3面の連携が不可欠であるなか、本レポートでは(i)挑戦、(ii)柔軟な考え方、(iii)持続可能性、(iv)支援の4つの視点からスクリーニングを行った手堅い分析が行われている。

立教大学 2年

BLACK BOX COMPANY(2,901KB)

【審査委員講評】
「企業の情報開示」に一石を投じるレポート。健全な懐疑、柔らかい発想を評価する。主張は明快で、「積極的な情報開示はかえって企業の競争優位を損ねる場合があり、情報開示には戦略性と最適化が重要」という。実際、企業の現場は情報開示と競争優位にジレンマを抱えている。量の面では統合報告書をスリム化する企業が現れた。こうした複雑で変化する開示の議論について、「定説を鵜呑みにせず自分達の仮説を示す」という挑戦を頼もしく思う。

ルーキー賞

ルーキー賞

雙葉中学校 1年

ネバーランドへの約束 COMMITMENT TO NEVER LAND
~アニマルウェルフェア~(5,117KB)

【審査委員講評】
本レポートがテーマに掲げたAnimal Welfare(動物福祉)は、健全に飼育された動物はより栄養価の高い肉を提供してくれるという欧州の考え方から発祥しているが、日本は牛や馬を使役家畜として使ってきた。東証プライムに上場している会社から33業種(約368社)を対象に、株価データを5つの期間別にリスク、リターン、シャープレイシオを比較分析した力作である。参考文献の書き方として、出版社も含めた記述が望まれる。

昭和学院秀英中学校 3年

まじうぇるびー!!(14,696KB)

【審査委員講評】
株式投資の視点でウェルビーイングを捉え直した意欲作。ユニークな分野別のテーマと銘柄選別の視点を提供してくれた。6分野に即したスクリーニング基準はよく練られており、リターンに結びつけるのが難しいテーマをポートフォリオにうまく落とし込んだ。選ばれた銘柄は手堅い印象で、各社の取り組みもよく調査できている。レーダーチャートを使った分析は見やすく論理的で、今後高いレベルに成長していく可能性を強く感じさせた。

かえつ有明高等学校 2年

UCHIAGE JAPAN(18,343KB)

【審査委員講評】
日本経済の停滞という現状と打開という視点を捉えつつ、新たな成長産業の領域として宇宙に目を向けてチャレンジした意欲作。宇宙ビジネスのリサーチでは、各国の取組状況及び日本の宇宙産業の現状について良く整理されている。ポートフォリオは川上から川下まで裾野広く、また、宇宙ベンチャー枠を設けたことがユニーク。ヒアリング先が少なかったのは、ビジネスの特性上、やむを得なかったものと理解。

審査委員特別賞

審査委員特別賞

筑波大学附属駒場中学校 3年

未来のハートビート
~再生医療が世界を救う~(8,364KB)

【審査委員講評】
「再生医療」という最先端のテーマに挑戦した意欲作。「いのち」を主題とする大阪・関西万博で注目が予想され、着眼のセンスも光る。多面的な分析、明快な論理展開、多様な選定企業と全体を通して質が高い。「投資方針へのヒント」、「万博との関連」を文中で示し、話の繋がりを分かりやすく伝える工夫もよい。フィールドワークはベンチャーと大企業で、各々の特色が生きた内容にまとまっている。「世界を救うイノベーションのためには長期的視点が必要」という主張が強く伝わってくる。

名古屋大学教育学部附属高等学校 2年

AgriLead(2,046KB)

【審査委員講評】
「スマート農業」をテーマにした論理展開と主張が明快な好レポート。フィールドワークから学び、それをスクリーニングへ活用し、ポートフォリオの作成へ上手に反映している。農家、大学、行政、機械メーカーといった関連する主要な主体を訪問してメリットとデメリットを多面的に理解。その上で「技術開発」と「普及」に着眼を絞って企業を選定した点に独自性が見える。中国、インド企業を含めた点もアジアへの広い視野を感じさせる。文章も平易でかつ丁寧で読みやすい。

一橋大学 3年

The Pinocchio Model
~Maximizing Shareholder Value Without Lies~(2,637KB)

【審査委員講評】
企業を人間の行動に例えれば、株主に対して正直な姿勢を貫いているか、中長期的な株主価値の最大化を行っているかが問われている。企業の直面する課題に真摯に対応し、外部機関からの提言も受け入れながら市場で高く評価される企業行動をとっているかどうかは日本全体の経済の再生にも大きな役割を果たすという立場から、(i)コーポレートガバナンスコード改定、(ii)議決権行使助言方針改定、(iii)資本コスト/株主を意識した経営の3点から銘柄選定を行っている。よい企業経営かどうかは、従業員のやる気を起こさせ続ける労働への報酬という面も重要であると考える。

法政大学 2・3年

魚客万来
~魚大国復活へのロードマップ~(10,896KB)

【審査委員講評】
周りを海に囲まれている日本にとって、魚食は生活に密接したものであり、様々な調理方法も生み出されてきた。真に「魚食文化」と言ってよい。そうした中、様々な問題を抱えている日本の水産業の現状と課題について、丁寧に分析を行い、また、スクリーニングについても、川上(養殖)から川下(販売)まで、項目も深く、丁寧に行なわれた点を評価した。ヒアリングにも熱心に取り組まれていた。今後の日本における「スマート漁業」の発展に期待したい。

NOMURA Award(特別賞)

NOMURA Award(特別賞)

これまで日経STOCKリーグを通じて、金融・経済教育の普及にご尽力いただいた指導教諭・教員の方々を表彰します。

高校:

岡山県立倉敷商業高等学校 近藤 昌幸 指導教諭
宮崎県立都城工業高等学校 波賀 康成 教諭

大学:

高崎経済大学 阿部 圭司 教授
中央大学 奥山 英司 教授
早稲田大学 奥村 雅史 教授

参加数

学年 中学 高校 大学 専門
学校数 47 154 127 4 332
チーム数 239 1,054 715 15 2,023
人数 985 4,039 2,974 61 8,059

出場校紹介