1. 日経STOCKリーグ
  2. 実施記録
  3. 第25回(2024年度)実施記録
  4. 第25回(2024年度)NOMURA Award 受賞者コメント

第25回(2024年度)
NOMURA Award 受賞者コメント

部門優秀賞

高校部門

岡山県立倉敷商業高等学校 近藤 昌幸 指導教諭

日経STOCKリーグに参加された経緯について

生徒が実社会の経済を学び、これまでに習得した会計や財務分析の知識を活かしながら実践的なスキルを身につけるための貴重な機会になると考えたからです。本校では会計や経済に関する授業はありますが、投資に直接焦点を当てた実践的な学習の機会は限られているため、生徒たちが探究的な活動を行い、興味を持って取り組むことのできる日経STOCKリーグへ参加しています。

日経STOCKリーグへの取り組みについて

生徒たちの自主性を尊重し、彼らが主体的に取り組める環境を意識的に作り出すよう努めています。各チームは投資テーマの設定からリサーチ、そしてレポート作成に至るまでの全過程を自主的に進めています。特に、ウェルビーイングや社会への貢献という視点を取り入れた投資を意識しています。これらのプロセスを通して生徒たちは株式投資を通じて社会や経済を学んでいます。

日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想

2024年度のチームは「環境」「自動車」「AI」などのテーマを選び、それぞれの課題や可能性、持続可能な社会について理解を深めていきました。時には難しいテーマに挑むことによって、新たな視点に気づくことができます。参加を検討している先生方には、このような生きた経済を学ぶ機会が得られる日経STOCKリーグへの参加を強くお勧めします。日経STOCKリーグを通じて得た知識と経験は、今後の学びやキャリアにおいても大きな財産になると考えています。

宮崎県立都城工業高等学校 波賀 康成 教諭

日経STOCKリーグに参加された経緯について

2003年ごろ日本経済新聞に掲載された広告の「教室に経済がやってくる」というフレーズにひかれ、経済学習に後ろ向きの生徒にも興味を持ってもらえるのではないかと考え導入しました。日本経済新聞を生徒の身近に置けるということも魅力でした。当時の「現代社会」の授業で株式会社の学習を終えてから月1~2回、取り組みました。経済の動向を考えるとともに、需要と供給の背後にある技術の進展や国際情勢などにも目を向けるきっかけになると考えました。

日経STOCKリーグへの取り組みについて

身近に上場企業の本社は少なく、生徒はなじみがありません。いきおい、選定する企業もCMで見慣れた、直接消費者が目にする企業を選びがちでしたので、今でいうサプライチェーンの川上の企業にも目が向くよう注意しています。また、多様な生徒の琴線に触れる仕掛けがたくさん用意されていると思います。例えば、仮想の500万円の運用や全国順位、あるいは副賞に惹かれる生徒などさまざまです。それによって、モチベーションも高まり、主体的に取り組んでいくように感じます。

日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想

参加した当初は、校内でインターネットを利用することすら不自由しましたが、各自が端末を持つことで情報取得と作業が迅速化しました。また、一定のフォーマットに則って一覧で比較できる会社情報なども有用だと考えます。現在は『業界地図』や『会社四季報』なども併用しています。レポートフォーマットやオンライン教材なども充実し、取り組みやすい環境が整っています。長期休暇中の課題も含めて、自学でかなり取り組めると思います。

部門優秀賞

大学・専門学校部門

高崎経済大学 阿部 圭司 教授

日経STOCKリーグに参加された経緯について

ファイナンスのゼミということもあり、証券投資に関心のある学生が多いことと、作成したレポートやプレゼンが学外で評価される経験をさせたいという理由で、2012(平成24)年度(第13回)から参加しています。当初はゼミの中でも希望者のみで始めましたが、現在では2年生、3年生のゼミ生全員が取り組んでいます。また、本学附属高校2年生と共にコラボゼミ(高大連携活動)でも日経STOCKリーグに参加、ゼミ生は教える側としても参加しています。

日経STOCKリーグへの取り組みについて

証券投資を学ぶことは一次的な目的であり、自身で問いを立て、情報収集、データ分析、考察を通じて解決案を提案するという、正解が存在する普段の教室での学びとは異なるスタイルであることを意識させています。経営分析やポートフォリオ理論など直接関連する領域だけではなく、経営学や経済学、一般教養も含めてこれまでに学んだ事柄が役立つことがあり、日経STOCKリーグを通じて普段の学びの姿勢が変わったなと感じる場面を多く経験しました。

日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想

多くの学生・生徒にとって、これほどの分量のレポートを作成するのは初めての経験でしょう。レポートはインプットなしにアウトプットはできません。本プログラムでは、普段の教科書を使った学びを超えるインプットが求められます。それだけでも十分な教育効果があると思います。投資の成績よりも、ポートフォリオに組み込まれた銘柄(企業)を選定した根拠・ロジックが重視されるため、自らの考えを論理的に組み立て、説得力をもって説明するスキルも求められます。こうした経験は、単なる投資の知識にとどまらず、将来的にさまざまな場面で活かせる貴重な学びとなるはずです。

中央大学 奥山 英司 教授

日経STOCKリーグに参加された経緯について

ゼミナールの3年生は「証券投資を通じて社会・企業について学ぶ」ことをテーマにしており、日経STOCKリーグはまさにその学びができる場となっています。最初の参加は約20年前になりますが、その頃から現在まで日経STOCKリーグが学生が様々な社会問題に興味を持つきっかけとなっており、生きた学びにつながっていることを実感しています。また商学部の学生にとって、講義で学んだことを応用する良い機会になっています。

日経STOCKリーグへの取り組みについて

テーマ設定では学生の自主性を尊重することを第一にしています。それと同時に、文章の書き方や資料の引用の仕方については繰り返し指導しており、学生が納得できるレポートを作成できるように心がけています。近年は簡単に情報検索ができるようになったため、適切な資料やデータを利用することにも注意をしています。グループ内でお互いの意見を尊重しながら折り合いを付けるという経験は、真剣に取り組んでいるからこそできる貴重なものになっています。

日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想

日経STOCKリーグに参加することで、学生は成長していると感じます。入選はグループメンバーの大きな自信になっていますし、そのような結果が得られなくても、日経STOCKリーグを通じて社会について考え、それに対する企業の取り組みを理解することは、学生の将来にとって大きなプラスになっていると思います。この賞は学生の頑張りの結果であり、これまでのゼミ生に感謝し、これからも参加してゼミ生が良い学びができるように努めます。

早稲田大学 奥村 雅史 教授

日経STOCKリーグに参加された経緯について

日経STOCKリーグの存在を新聞広告で知り、学部ゼミ3年生の教育に生かせると判断して参加しました。就職活動を前にした3年生は企業を分析し評価すること自体に興味を持っているので導入しやすいこと、グループワークの良い機会となること、社会におけるビジネスの意義を考える良いきっかけになること、商学部なので日ごろ学習していることを生かせることが参加にあたっての理由となりました。

日経STOCKリーグへの取り組みについて

日経STOCKリーグはサブゼミにおける学生の自主的な活動として位置付けています。そのため、細かい指導を日ごろからしているわけではありませんが、気を付けている点としては、日経STOCKリーグの趣旨(主催者の意図)をよく理解することが重要であると指導しています。学生は当初はこれについて十分に理解できなくても、企業分析を進めるプロセスにおいてWebサイトにおける各種の教材やツールを利用しながら最終的には趣旨を理解し、レポートに反映できているようです。

日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想

学生にとっては、日経STOCKリーグは、半年を超える比較的長期のプロジェクトです。アイデア出し、資料収集、インタビュー、分析、レポート作成などの各段階で壁にぶつかりながらも各メンバーの強みを生かしてプロジェクトを進めることになります。多くの学生にとってこのような機会は少なく、学生生活において一つの記憶に残る重要な経験になる可能性が高いと思います(卒業生からもそのような感想をもらいます)。素晴らしい企画なので参加することをお勧めします。

第25回(2024年度)実施記録