第21回日経STOCKリーグの実施記録や入賞レポートを掲載します。
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第21回(2020年度)実施記録
最優秀賞
東京大学 3年
Fair Growing Competition(3,468KB)
【メンバー】
清水 美紗、藤澤 遥、桝田 祐太郎、小菊 聡一郎
【ポートフォリオ】
カカクコム、積水樹脂、レッグス、扶桑化学工業、オリコン、ファンケル、コーセー、ノエビアホールディングス、メック、ヤマダコーポレーション、マブチモーター、アドバンテスト、日本セラミック、エヌ・シー・エヌ、アイリックコーポレーション、バンダイナムコホールディングス、SHOEI、カプコン
【審査委員講評】
企業を評価する場合、技術力、資本効率、人的資本などから判断することが多い。本レポートは、経営者の能力、企業内部の競争環境、報酬制度、株主に対する情報開示などに着目して企業を分析した力作である。日本企業の特色は、(i)株主、(ii)従業員とその家族、(iii)製品を購入する消費者など、さまざまなステークホールダーを見ながら経営されている点にある。将来を見据え、人材育成、国際競争力のある企業を育てるという視点も、重要である。
部門優秀賞 中学部門
市川中学校 3年
【メンバー】
水沼 峻、待山 真一、菊池 翼、橋爪 浄太朗
【ポートフォリオ】
ウエストホールディングス、日本国土開発、関電工、旭化成、ENEOSホールディングス、日本製鋼所、日本精線、神鋼環境ソリューション、三菱加工機、日立造船、川崎重工業、トヨタ自動車、豊田通商、岩谷産業、ミツウロコグループホールディングス、伊藤忠エネシス、エフオン、イーレックス、レノバ、東京瓦斯
【審査委員講評】
環境問題は、世界が抱える重要な課題の一つである。本レポートは、水素、太陽光、風力、水力、バイオマスなど、化石燃料に依存しない社会を目指し、「水素エネルギーの利用」に焦点を当て、深いデータ分析を用いて企業を分類した部門優秀賞にふさわしい力作である。世界的な炭素課税等の導入により集められた税を、水素などの代替エネルギーに回してリターンを引き上げ、リスクを低減させて、より多くの投資配分がグリーンエネルギーに向けられるような政策的誘導も必要であると考える。
部門優秀賞 高校部門
広尾学園高等学校 1年
【メンバー】
萩原 美優、板橋 穂南、東木 美桜、三木 栞、牧野 結衣
【ポートフォリオ】
クオールホールディングス、ソリトンシステムズ、TIS、オプティム、テラスカイ、デジタル・インフォメーション・テクノロジー、インフォコム、アイティフォー、インテリジェント ウェイブ、ジーエス・ユアサコーポレーション、日本電気、EIZO、デンソー、アイ・オー・データ機器、ライフネット生命保険、リコー、インフォシス、ラッフルズ・メディカル・グループ
【審査委員講評】
医療分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)に積極的に取り組む企業を複層的なスクリーニングを通じて選定している。対象をアジア300にまで広げている点や、ベンチャー企業を訪問し丁寧にヒアリングを行っている点が評価された。一方、この領域でのプラットフォーマーであるエムスリーが選定対象に入っていない点を残念がる声も。最後のまとめで、上場の意義について言及している点にストックリーグを通じた深い学びを感じることができた。
部門優秀賞 大学・専門学校部門
同志社大学 3年
【メンバー】
森川 明星、上山 真莉菜、倉田 健太郎、高山 太一、西村 圭渡
【ポートフォリオ】
プレミアムウォーターホールディングス、エバラ食品工業、北の達人コーポレーション、神戸物産、オイシックス・ラ・大地、ピーバンドットコム、モバイルファクトリー、アカツキ、Ubicomホールディングス、バリューデザイン、チェンジ、オロ、テモナ、HENNGE、大幸薬品、ライオン、小林製薬、アイ・アールジャパンホールディングス、インソース、ニトリホールディングス
【審査委員講評】
求心力、機動力、変革力の3つを兼ね備えた企業群からなるレジリエンスファンドを組成した秀作。①求心力、機動力、変革力がカギになる点を論理的に説明している②マルチファクターモデルを使い投資比率を決定している③ポートフォリオに神戸物産、ニトリ等優れた経営力を有する代表銘柄が含まれている④レジリエンスファンドのリターンは高く、ポートフォリオの優秀性を証明している⑤5年間の長期の株価分析も実施しているなどの点が高く評価された。
敢闘賞
洗足学園中学校 3年
【審査委員講評】
日本は、人生100年時代を迎えようとしている。定年退職の時期をなるべく延ばし、高い年齢でも社会に貢献し続けることをしなければ、社会保障や年金額が膨大な額となり、若い年齢層の税負担は上昇してしまう。そのためには、健康で、長く働ける社会を構築しなければならず、第二の脳と言われる「腸の健康維持」は大切である。関連企業の19社を選択し、企業のヒアリングを行い、ポートフォリオ配分を求めており、敢闘賞にふさわしい内容である。
慶應義塾ニューヨーク学院 12年
理想の部屋
~CREATING OUR IDEAL ROOM~(6,239KB)
【審査委員講評】
メンバー同士が一度も直接顔を合わせることなく、これだけ高水準のレポートを作成した点に、まずは敬意を表したい。ストックリーグの枠を超え、リモート時代の新しい働き方を世の中に問うているようにも感じた。高校生へのアンケート調査や非営利団体・有識者への取材を通して、現状認識や問題意識を深めていった点も高く評価できる。アジアの企業に目配りしたのも優れた点だ。銘柄紹介では、写真を付けて「イチオシ商品」を目立たせるなど、レポート全体の読みやすさも秀逸だった。
慶應義塾高等学校 3年
【審査委員講評】
コロナ禍で変貌する都市、未来都市に貢献する企業をスクリーニングした優れたレポート。具体的には、A:次世代情報通信技術とIoT、B:職住近接、C:防災の3つの分野から銘柄を選別し、ポートフォリオを作っている。コロナが突きつけた都市への課題に真摯に向き合った点をまず評価したい。加えて、都市と感染症の歴史を整理したことで読み物としての厚みが加わったように思える。オンライン企業訪問も良かった。
同志社大学 3年
【審査委員講評】
行動経済学は心理学に通じ、多くの人にとって、とっつきやすい分野で、それをテーマに選択した着想は見事。文体も丁寧で「大学・専門部門では最も読みやすいレポートだった」と高く評価する審査委員もいた。企業へのヒアリングがしっかりしており、企業価値向上に関する実証分析も論理的。一方で「A Task-Based……」の論文1本に依拠した点や、様々な認知バイアスを各指標と結びつけるなかで関係性に若干違和感のある項目があるとの指摘もあった。
アイデア賞
昭和薬科大学附属高等学校 1・2年
けあ ばい けあらー
~ケアラーの明るい未来を目指して~(1,927KB)
【審査委員講評】
高齢化が進む中で深刻化する日本の介護の実態を丁寧に調査し、高校生らしい目線で問題提起をしている。投資を通じて、介護を支えているケアラー(介護従事者)の負担軽減につながる取り組みを進める企業に光をあてようという意気込みが読み手によく伝わった。それだけに、選定した企業についての調査・深掘りが不足しているのが残念。オンラインインタビューによる企業へのヒアリング等を実施すると、メディア報道やネット検索では出てこない情報が得られ、企業活動への理解も深まるはずだ。
学校法人岩崎学園 情報科学専門学校 1年
#Follow_Me
~Google Trends×AIで導くアフターコロナの社会を作る有望企業~(6,422KB)
【審査委員講評】
ビッグデータ解析の手法を持ち込んだ野心的なレポート。伝統的な経済学をベースに論を展開するレポートが大多数のなか「ディスラプター」とも言える存在感を示した。アルゴリズム取引全盛の時代性を感じさせる。新興市場に対象を絞ったのも、ポートフォリオの独創性につながった。アルゴ取引はブラックボックス化が指摘されているだけに、たとえば幾つかの企業についてWord2Vecで抽出した10の単語を具体的に示すなど、過程をもう少し丁寧に説明するとなお良かった。
ルーキー賞
横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校 2年
【審査委員講評】
孤独解消、改善ニーズから、Healing Robotに至り、その要素技術を有する企業に投資するという投資アイデアが素晴らしい。かつ、要素技術を、会話、顔認証、学習、言語解析、行動認識、触感、ストレス検知、匂い、脈拍測定、ロボットに分類し、細部まで良く検討した点も評価される。自分たちの関心に沿ってよく調べているとの評も出た。企業ヒアリングを行うとさらに良かった。
大妻中野高等学校 2年
眠れる無形資産
~Vision is the art of seeing things invisible~(5,191KB)
【審査委員講評】
コロナ禍で経済活動のあり方が大きく変わるなか、新たな企業価値向上の原動力として人材や研究開発、ブランドといった「見えない」資産の力に着目した意欲作。投資対象をアジア300にまで広げたり、選定した4社に企業訪問を行ったりした点も評価し、ルーキー賞にふさわしいと判断した。課題は、ポートフォリオ構築の「見える化」。スクリーニングに用いた「4つのランキング」の妥当性・合理性についてもう少し丁寧に説明するとなおよかった。
入選
NOMURA Award(特別賞)
中学:
お茶の水女子大学附属中学校 寺本 誠 教諭
高校:
ぐんま国際アカデミー中高等部 桐生 朋文 教諭
大学:
大阪経済法科大学 深瀬 澄 教授
創価大学 中村 みゆき 教授
参加数
学年 | 中学 | 高校 | 大学 | 専門 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
学校数 | 29 | 139 | 120 | 6 | 294 |
チーム数 | 248 | 632 | 737 | 26 | 1,643 |
人数 | 1,024 | 2,455 | 2,963 | 93 | 6,535 |