1. いま聞きたいQ&A
Q

ロンバート貸出制度とは何ですか?どのような効果があるのですか?

銀行などの金融機関は企業や個人におカネを貸し出すために、預金者から集めたおカネを活用するほか、短期金融市場と呼ばれる銀行や機関投資家などが参加する金融取引市場で、他の民間金融機関からおカネを調達しています。ロンバート貸出制度とは金融機関がこの短期金融市場で民間金融機関から資金が調達しにくくなった場合、日本銀行に申し込めば、自動的に日銀からおカネを借り入れることができるようにした制度のことです。日銀が(2001年)2月に公定歩合引き下げと合わせて、金融緩和策の一つとして採用しました。

日銀は金融機関の申し込みに応じて資金を貸し出しますが、金利は公定歩合で、金額は金融機関が日銀に差し入れた担保の範囲内となります。金融機関は翌日に返済することが原則ですが、一週間程度までは借り換え延長を認めています。担保には国債や優良企業の手形などが適用されます。

日銀は短期金利を調節し、景気の過熱や落ち込みを防ごうとします。
現在のように、景気が落ち込みつつある状況だと、日銀は公定歩合や短期金利を引き下げます。金融機関が貸し出しを増やしやすくし、市中に出回るおカネを増加させて、企業や個人の経済活動を活発化し、景気をてこ入れするためです。しかし、金融機関の経営状況に対する不安が高まると、金融機関によっては短期金融市場でおカネを調達しにくくなり、調達する際に金利を引き上げざるをえなくなります。短期金利が上昇する要因になりかねません。また、最悪の場合には、金融機関が資金繰りに困ってしまい、経営が破綻してしまうことも考えられます。ロンバート貸出制度には日銀がこうした金融機関の貸し手になることを明確にすることによって、信用不安を抑えるとともに、短期金利を引き下げた効果を浸透させようという狙いがあります。

ご注意:「いま聞きたいQ&A」は、上記、掲載日時点の内容です。現状に即さない場合がありますが、ご了承ください。

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