全米証券業協会(NASD)の管理下で1971年2月から稼動している米国店頭市場の相場報道システムのことです。参加する証券会社(マーケットメーカーと言います)が取り扱い銘柄の買い、売りの値段をコンピューターに入力すると、投資家は情報端末を通じて価格情報、売買の注文状況などを見ることができ、一番有利な証券会社に注文を出せる仕組みになっています。
日本でも比較的早い時期に、証券取引所とは別に店頭市場が誕生し、現在ではナスダックとジャパンの合成語である「ジャスダック」市場として定着しています。日本では当初は「証券取引所に上場するまでのワンステップ」という位置付けでしたが、最近ではマイクロソフトなど知名度が高い有力企業の株式が上場されているナスダックにならい、1つの有望市場としてその地位を確立しようとしています。
米国のナスダックはコンピューターやインターネット関連、バイオなどハイテク企業を中心に創業精神の富む企業が集まっていることで知られています。ただ、こうした企業は栄枯盛衰も激しく、新規に企業が多く登場する半面、経営がうまく立ち行かなくなり市場から消える企業もたくさんあります。米国でもナスダックで取引される企業への投資はハイリスク・ハイリターン(危険が大きい半面、読みが当たれば果実も大きいことをいいます)という認識が浸透しています。
ナスダックは大阪証券取引所やソフトバンクなどと提携して、日本に進出、大阪にナスダック・ジャパンという市場ができましたが、うまくいかず、短期間で撤退することになりました。このため、ナスダック・ジャパンは大阪証券取引所のヘラクレス市場に名称を変えて、大阪証券取引所主導でさらなる飛躍を目指すことになりました。