1. いま聞きたいQ&A
Q

株式投資は未成年でもできるのですか?

未成年者でも株式の売買は可能です。
ただし株式の売買を行う前提として、取次業者である証券会社に口座を開設しなければなりません。そして証券会社によっては、未成年者に対して口座開設を認めているところとそうでないところがあります。これは民法の規定に基づく措置と理解しておくべきです。法律用語が多くて少しむずかしくなりますが、以下にその概略を述べておきます。

株式の売買は、おおげさに言えば、売る人の意思と買う人の意思が合致する「契約」という行為そのものです。そして民法の規定では、売買契約は当事者の意思の合意だけで有効に成立します。しかし同時に民法では、満20歳に満たない者の法律行為(=売買契約など)については、法定代理人の同意が必要と定めています。法定代理人とは、通常は親権者(一般的には父母)です。そして未成年者が親権者の同意を得ずに行った法律行為は、親権者が契約の取消を請求することができます。

この規定によって証券会社の間では、未成年者に対して口座開設を認めているところとそうでないところが分かれてくることになります。売買契約の一方の当事者が自由にその契約の取消を請求できるとなれば、契約のもう一方の当事者や、仲介に立っただけの証券会社に予測できない不利益が生じないとも限りません。株式投資では売買契約の相手方が直接的には見えないために、それを未然に防ぐ必要があります。

ネット証券会社の取り扱いを例にとって見てみましょう。未成年者の口座開設に関して、ネット証券会社の取り扱いは大きく2つに分かれます。認めているところと認めていないところです。証券会社の数で言えば、認めていないところが多いようです。

そして未成年者による口座開設を認めているところでも、いくつかの条件を付しています。たとえばAネット証券会社は、一般の口座と未成年者の口座を区別して、便宜上「未成年口座」という制度を設けています。未成年者が「未成年口座」を開設するには、親権者がAネット証券会社に口座を開設していなければなりません。

その上で、未成年者が「未成年口座」を開設すること、及びその口座を通じて取引を行うことに関する親権者の同意書が必要になります。また未成年者と親権者の続柄を証明する確認書類を提出することも必要です。口座が開設できたとして、「未成年口座」を通じた未成年者の取引は、すべて親権者の責任で行うことが定められています。この場合、株式の売買注文や出金などはすべて親権者の意思に基づくものとみなされます。

Bネット証券会社では、日本国内に住んでいる限り誰でも口座を開設できると規定しています。この規定によって未成年者でも口座を開設することは可能です。ただしこの場合でも、未成年者が口座開設を申し込む際の親権者の同意書、および親権者との続柄を証明する確認書を提出することが必要です。証券会社内の制度ではAネット証券会社とほとんど同じです。

Cネット証券会社、Dネット証券会社、Eネット証券会社では、未成年者の口座開設は受け付けていません。文字で説明すると漢字ばかりになってむずかしいことのように見えますが、未成年者の口座開設が可能かどうかは各ネット証券会社のホームページに記載されています。

なお、ネット証券会社に限りませんが、証券会社に口座を開設する場合、通常は銀行口座、または郵便口座を持っていることが必要になります。したがって証券会社に口座を開く前に、まずは銀行口座(または郵便口座)を開設しておく必要があります。

ご注意:「いま聞きたいQ&A」は、上記、掲載日時点の内容です。現状に即さない場合がありますが、ご了承ください。

バックナンバー2004年へ戻る

目次へ戻る