経済対策の規模は心理面からの景気改善効果を狙ったり、選挙対策などの様々な思惑が絡んで大きめになりがちです。例えば、先日発表された経済対策は事業規模11兆円とされていますが、政府が経済対策のために実際に支払うおカネはその半分ぐらいと見込まれます。このように、経済対策の本当の姿、中身を示そうという目的で「真水」という言葉が使われています。
ただし、「真水」には明確な定義がなく、発言する人によって中身、ニュアンスが違っていることもしばしばです。先日の経済対策に関する日本経済新聞の記事では、「国と地方を合わせた実質的な財政支出(真水)は6兆円程度の見込み」と書かれています。しかし、地方自治体の財政が悪化している中、国の経済対策にどれだけ地方が付き合うか疑わしいことから国の実質的な財政支出だけを真水と呼ぶ人もいます。
もっと絞り込んで、政府の財政支出のうち国内総生産(GDP)の増加に寄与するものだけを「真水」と呼ぶ方式もあります。この場合は、公共投資のうち、土地取得のために使われる費用は「真水」から除かれます。
「真水」の定義は様々ですが、株式・債券などマーケット関係者らは水ぶくれした「事業規模」ではなく、「真水」に注目していることは間違いなさそうです。