最近、一部の証券会社が始めたサービスです。「預株制度」「貸株サービス」などと呼ばれているようです。
基本的には株式取引における「貸株・借株」の仕組みを利用しています。
具体的に説明しましょう。
まず、顧客が証券会社に株券を預けて、預株の申し込みをします。
証券会社は預かった株を日本証券金融などに貸し、その見返りに「品貸料」を受け取ります。
その「品貸料」収入をもとに、証券会社が顧客に「預株料」を支払います。
このように、顧客は株券を預けるだけで収入を得られるわけです。
一方、証券会社から株券を預かった日本証券金融は株券を借りたい人に株券を貸し出して、その対価を得ています。これが株式取引における「貸株・借株」の仕組みです。
株を借りたい人は
- (1) 後で株が手に入るが、それまでに売っておきたい人
- (2) 現在、株を持たず、後で手に入る予定もないが、相場が下がると予想して株を売る人(いわゆるカラ売り)
などです。
ちなみに、皆さんが銀行に預けたおカネは銀行が企業に対する貸し出しなどの形で運用し、その利息収入の一部が預金金利として皆さんに支払われています。「預株制度」はこうした預金制度に似ています。「預株」という名前もそうした点に由来があるようです。売却する予定のない株式の活用法として注目を集める可能性はあります。