経済成長とは、国内総生産(GDP)が増えることを指します。GDPは日本国内で生み出された「付加価値」の合計額ですので、付加価値が増えることが経済成長といいかえることもできます。
「付加価値」とは何でしょうか。
例えば自動車メーカーであれば、原材料を仕入れて自動車を完成させ、販売しています。完成した自動車の価値(大雑把に言えば価格といってもいいかもしれません)は、それに使用された原材料の価値を上回っているはずですね。これが付加価値です。このように企業が生産・販売活動をすることで付加価値は生み出されるのです。もちろん、サービス業など非製造業もサービスという商品を“製造・販売”しているので同様に付加価値を生み出しています。
企業が商品やサービスを製造してもそれを買ってもらわなければ付加価値を生み出すには至りません。その意味で、質問のなかで「国民がモノを買うことが経済成長になる」とおっしゃっているのは、一面の真理をついています。
ただ、国民が輸入品を買う場合はちょっと話が違ってきます。輸入品の生産で生まれる付加価値は、輸入先の国のものになるのです。逆に、海外の人々が日本製品を買ってくれれば、日本の経済成長につながります。「経済が成長するためには、日本企業が国際競争力のある製品・サービスを開発し、販売する必要がある」といわれるのはまさにこのためです。