1. 先駆者たちの大地

先駆者たちの大地

明治製菓株式会社 創業者 相馬半治

1946年~ 抗生物質を世界レベルに押し上げた独創的な開発力

「お菓子の明治」「チョコレートの明治」と親しまれてきた明治製菓は、1946年、戦後の復興と発展を期して薬品事業に進出、医薬複合企業へのスタートを切った。

一般用医薬品

明治製菓のもうひとつの顔ともいえる一般用医薬品

まず、菓子・食品で培った発酵技術を生かして抗生物質「ペニシリン」の製造を開始。これを皮切りに1950年に結核治療薬「ストレプトマイシン」、1958年には国産初の抗生物質「カナマイシン」を開発して自社技術を確立した。その後、「パニマイシン」「ホスミシン」「ミオカマイシン」「メイセリン」などに続いて、90年には国内で初めてMRSA感染症に適応が認められた「ハベカシン」を発売。94年には、グラム陽性菌、特に黄色ブドウ球菌に対する抗菌力を増強させた経口セフェム系抗生物質製剤「メイアクト」を開発して発売、グローバルな事業活動を本格化させ、原末生産では世界屈指の規模を有するようになった。こうして独創的な新薬を次々に開発してきた明治製菓は、現在では世界でもトップクラスの抗生物質のメーカーとして認められている。
一方、抗生物質以外の分野では、88年、抗癌剤「テラルビシン」、抗不安剤「メイラックス」、90年には脳機能改善剤「アポデール」、そして96年には抗アレルギー剤「エバステル」などを相次いで発売した。うつ病、強迫性障害の治療薬「デプロメール」は国内初の選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)で、有効性・安全性の面で治療に大きく貢献した。
また、うがい薬でおなじみの「イソジン」群も発売以来40年の長きにわたり圧倒的地位を確保している。
薬品事業は、現在では明治製菓を支える一方の柱として、同社の売り上げの約40%を担うまでになっている。「買う気でつくれ明治」という標語を掲げ、消費者の満足を第一に標榜してきた同社が、今後、国際的な総合ライフ・インダストリーとして、世界を舞台にどんな活躍を見せてくれるか、また食薬兼営という強みを生かして、どのような満足を私たちに与えてくれるか、注目していきたい。

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IRマガジン2001年5-6月号 Vol.49 野村インベスター・リレーションズ

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