1. 先駆者たちの大地

先駆者たちの大地

古河電気工業株式会社 初代 古河市兵衛

1911年~ 古河電気工業株式会社の誕生
世界第2位の光ファイバメーカーへ

1911年、古河鉱業会社は機構改革によって古河合名会社に称号を変更、第一次世界大戦による未曾有の好況を通して、積極的な多角化に乗り出していった。それは産銅事業の関連分野にとどまらず、1917年には株式会社東京古河銀行を開業、同時に古河合名会社を合名会社古河鉱業会社に改称し、営業部門を古河商事株式会社として独立させた。こうして古河は、この3社を直系企業とする財閥コンツェルン組織を整えたのである。この時、それまで日光電気精銅所で行っていた事業や電線事業は古河鉱業工業部に属する事業となったが、電線業界での地位の強化と、さらには通信機器など弱電品への進出も念頭に置いて、工業部門独立の気運がしだいに高まっていった。そして1920年5月1日、新会社として古河電気工業株式会社が設立されたのである。

光ファイバ・ケーブル

光ファイバ・ケーブル

精銅、電線製造から始まった古河電工の事業は、海底ケーブル、アルミニウム、電池製造などを端緒として多角化を繰り返し、発展してきた。現在、事業領域は、光・情報システム、エレクトロニクス、新素材、自動車関連にまで及び、超伝導の研究開発では世界をリードする地位を築いている。2001年11月16日、古河電工は、アメリカの大手通信機器メーカー、ルーセント・テクノロジー社の光ファイバ部門を総額27.5億ドルで買い取り、一躍世界第2位の光ファイバメーカーに躍り出た。もともと光関連の技術では定評のある古河電工に、ルーセント・テクノロジー社の世界トップクラスの技術と膨大な知的資産が加わる意味は重大である。

今後、次世代大容量通信のコア技術を担うメーカーとして、古河電工が果たす役割は、ますます大きなものとなっていくだろう。

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IRマガジン2002年7-8月号 Vol.56 野村インベスター・リレーションズ

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