7 分散投資のコツ
分散投資のポイントがいくつかある
いくつかの株式に振り分けて投資するのが、分散投資だといったね。 でも、何でもいいから、いろんな種類の株式を買えばいい・・・というわけじゃない。
企業の経営への取り組みなどを調べて、成長しそうな企業の株式を選ぶことが大切だ。一口に「成長性のある企業」といっても、「安定成長している超有名企業」と「規模は小さいけれど、これから業績の伸びそうな企業」とでは、株価の動きに違いが出てくることもある。「分散投資」の観点から、こういう2つのタイプの企業に振り分けて投資するのも手だ。
また、興味の持てる企業を選ぶことも大切だ。やみくもにたくさんの企業のことを調べようとしないで、自分なりにテーマを決めて、そのテーマに関係のある企業の株式に投資していくほうが、いい結果が出やすい。
そして、分散投資のいちばんのポイントは、"違う値動きをする株式を組み合わせる"ってことなんだ。
暑い夏と涼しい夏
たとえばキミが、アイスクリームのメーカー、ビールのメーカー、エアコンのメーカーという3つの会社の株式を買ったとしよう。
全然違うものをつくっている会社だけど、じつはこの3社がつくっているのは、みんな「その年の夏が暑ければ暑いほど、たくさん売れるもの」だ。
猛暑になれば、3社の業績はどれも上がり、逆に涼しければ、3社の業績が下がる可能性がある。おのずと株価も、同じように動く可能性があるわけだ。
これだと、「ある株式が値下がりしてもほかの株式がそれを埋め合わせる」という分散投資の効果が期待できないんだ。
分散投資の効果を得る
分散投資の効果を得るためには、企業の業種や扱っている商品の性質などをよく見極めて、違う値動きをしそうな銘柄を選ぶのがいいといえる。
厳密に分析するのは難しいので、最初はおおざっぱなとらえ方でいい。
一概にはいえないけれど、同じ業種の企業は、株価も同じように動きやすい。また業種が違っても、自動車メーカーや家電メーカーは、どちらも多くの利益を輸出によって得ているので、外国の景気や為替相場(円高・円安)の影響を受けやすい。レストランやファーストフードなどの外食産業は、国内の景気や原材料の値段の動きに左右されやすいから、その意味では、自動車メーカーとレストランの株式は違う値動きをすると想像できる。
こんなふうに考えて、自分なりにポートフォリオを組んでみよう。