お金の歴史雑学コラム

26 空海(弘法大師)とお金の関係は?

全国各地に残る空海伝説は、資金集めから生まれた!?

唐(中国)に留学し、日本に密教を伝えた空海(弘法大師)は、現代においても「お大師様」として広く信仰を集めています。空海は超人的な能力を持った人物として、北海道地方から九州地方まで日本全国に数千にもおよぶ伝説を残しています。例えば、「弘法大師が杖で地面を突くと、水が湧き出した」、「弘法大師が鬼を退治した」、「弘法大師がお経を唱えると、病気が治った」などさまざまです。

こうした伝説が生まれた背景には、お寺や修行場を建てるために信者に寄付を募って資金を集める「勧進」が関係していました。空海よりのちの時代の高野山の僧「高野聖(こうやひじり)」たちが、全国を旅して勧進を行ったのです。その際に、旅の僧たちが弘法大師の超人的な霊力を民衆に説いたために、地方の民衆の間で語り伝えられてきたさまざまな奇跡的なできごとが「弘法大師が行ったこと」になったと考えられています。

空海(弘法大師)像

画像提供:ピクスタ