26 空海(弘法大師)とお金の関係は?
世界遺産に登録されている高野山金剛峯寺(和歌山県)。毎年、日本人だけでなく多くの外国人観光客が参拝に訪れています。この高野山の壇上伽藍建設は、空海が半生をかけた大事業で、完成したのは、816年に高野山を開いてから70年あまり後、空海の没後50年が経過したころであったといわれています。
寺の建設が長期間におよんだ理由は財政難です。建設当初は、私寺としての建設であったため朝廷からの援助がほとんど得られませんでした、しかし、空海の死後にあとを継いだ弟子たちがねばり強く朝廷にはたらきかけ、その支援を受けてようやく完成させたのです。完成してからも苦難は続き、994年には落雷でほとんどの建物が全焼してしまいますが、僧たちのねばり強い活動により、やがて藤原道長をはじめ、天皇や貴族たちも参詣するようになり、再び寄付を集めて復興していきました。