お金の歴史雑学コラム

24 平安貴族の女性にはお金がかかった

平安貴族の女性が着た十二単は、数百万円!?

今から1000年前ごろの日本では、平安貴族の女性たちは時に服装の美しさを密かに競っていました。絵巻物や百人一首などに登場する長い黒髪の女性たちは、その衣装にどのくらいのお金をかけていたのでしょう?

宮廷に仕える女性たちが着用する正式な服装を女房装束(にょうぼうしょうぞく)といい、衣を12枚着ているように見えるため、のちに「十二単(じゅうにひとえ)」とよばれるようになりました。十二単は、生地によって価格が大きく変わりますが、全部を正式に着ると、現在の価格で一揃え数百万円になるのが普通でした。

また、さらに身分の高い女性は、十二単よりも気軽な重ね着をしていましたが、それでも価格は十二単よりずっと上でした。たとえば上着として着ていたものに「小袿(こうちぎ)」がありますが、これだけで一着数百万円はかかります。

平安貴族の女性

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