お金の歴史雑学コラム

20 「ユーロ」のひみつを探る!

肖像画は無し。「窓」と「橋」の絵が国同士の結びつきを象徴している

「ユーロ」とは、ヨーロッパ地域の複数の国々で使われている統一通貨の名称です。お金の単位としては1999年に生まれ、実際に紙幣や硬貨が流通し始めたのは2002年のことでした。複数の国々で同じ通貨を使っている例は、中米カリブ地域や西アフリカ地域でも見られますが、これほど多くの国々で大規模に採用されているのはユーロだけです。

ユーロ紙幣は500ユーロ札、200ユーロ札、100ユーロ札、50ユーロ札、20ユーロ札、10ユーロ札、5ユーロ札の計7種類。硬貨は2ユーロから0.01ユーロまで計8種類あります。ちなみにユーロの下の単位は「セント(ユーロセント)」で、100セント=1ユーロとなります。

ユーロ紙幣の特徴としては、いずれも人物の肖像画がないことが挙げられます。さまざまな人種・民族の人々の間で使われるお金なので、特定の人物の肖像を使うのを避けて、ギリシャ・ローマ時代から現代まで各時代を代表する建造物の絵が描かれています。いずれも表には窓、裏には橋の絵が描かれていて、国同士の開かれた関係や相互の交流を象徴していると言われています。

裏面にヨーロッパの詳細な地図が描かれているのも特徴です。お馴染みのヨーロッパ大陸の地図はもちろん、スペインのカナリア諸島(アフリカ大陸付近の海上)をはじめ、各国の領土となっている小さな島々まで洩らさず印刷されているのです。

ユーロ紙幣

表面に「窓」、裏面に「橋」が描かれたユーロ紙幣