16 お札に肖像画が使われているのはなぜ?
福澤諭吉、樋口一葉、野口英世……といえば、もうおわかりですね。そうです、現在の日本の紙幣の肖像画に使われている人物です。
日本で初めて肖像入りのお札が発行されたのは1881年(明治14年)。肖像画の人物は古事記や日本書紀に登場する仲哀天皇の皇后、「神功皇后(じんぐうこうごう)」。つまり、日本で最初のお札の肖像画は女性だったのでした。その後、板垣退助(いたがき たいすけ)、菅原道真(すがわら みちざね)、二宮尊徳(にのみや そんとく)など、現在に至るまで合計17人の肖像画がお札に用いられています。その中で、登場回数が一番多いのは聖徳太子。過去に7種類のお札に登場しています。
初めて肖像画が描かれたお札が作られたのは18世紀のヨーロッパで、女神や守護神などが描かれていましたが、次第に国王や政治家などの肖像も使われるようになりました。
昔も今も、世界各国のお札には肖像画がよく用いられています。アメリカの1ドル札は初代ワシントン大統領、5ドル札にはリンカーン大統領。イギリスではエリザベス女王、インドではガンジー、中国では毛沢東の肖像画がお札に登場しています。
世界で発行されているお札のうち、約7割に肖像画が使われているそうです。