お金の歴史雑学コラム

14 世界で最初の銀行とは?

両替商の仕事道具が「BANK」の語源

私たちのお金を預かったり、お金を貸し出してくれる「銀行」の歴史は大変古く、世界で最初の銀行は紀元前3000年までさかのぼります。西アジアのチグリス川・ユーフラテス川下流地方(現在のイラクなど)にあったバビロニアという古代王朝では、神殿で人々の財産や貴重品を保管したり、穀物や家畜を貸しつけていたそうです。これが銀行の起源だといわれています。

また古代エジプトでは、穀物がお金の機能を果たしていて、穀物倉庫が銀行のような役割をしていたそうです。この倉庫は単に穀物を保管するだけでなく、現在でいう「為替(かわせ)」の業務も担っていました。「為替」とは、遠く離れた人に代金の支払いをする時に、お金を移動させることなく支払いを完了させるもので、現在の「小切手」や「銀行振り込み」などがそれにあたります。古代エジプト各地の穀物倉庫の保管状況は、地中海岸の都市アレクサンドリアにある中央倉庫で集約され、記録されていました。この記録をもとに、当時の人々は穀物を移動させることなく穀物の取引をしていたのでした。

古代の銀行の発達には、為替業務のほかに、両替業務がありました。両替は、国や地域ごとに異なる通貨を交換して手数料を得るビジネスです。当時は地域ごとにさまざまな通貨が使われていたので、商業が発達するにつれて、地域間でのビジネスを円滑にするために両替商が求められるようになったのでした。やがて単なる両替だけでなく、資金を貸し付けたりするようになっていきます。

ちなみに、銀行のことを英語で「バンク(BANK)」といいますが、これは12世紀頃、商業のさかんだった北イタリアの両替商が使っていた「長机(BANCO)」が語源だと言われています。

語源