お金の歴史雑学コラム

14 世界で最初の銀行とは?

日本で最初の銀行はお寺で生まれた!?

日本でも銀行のような金融業者は古くからありました。代表的なのが江戸時代に発達した両替商です。両替商として大きな成長を遂げた三井や住友などは、現在の大手銀行グループの源流となっています。(コラム「江戸時代のお金のしくみは?」を参照)

それよりもさらに昔、鎌倉時代にもお金の貸し借りを担う業者がありました。それが「土倉(どそう)」です。土倉は、当時のお寺や神社が営んでいた金融業のことで、お金を貸し出したり、人々からお金を預かって利息を払うといった業務をしていました。お寺も神社も、この時代では特権階級にあたり、お金を貸し出せるだけの多額のお金が蓄えられていたのでした。信心深い当時の人々は、神さまや仏さまの天罰を恐れて、借りたお金を一生懸命返そうとしたようです。

イングランド銀行

イングランド銀行
(資料出所:Wikipedia)

現在の私たちが利用しているような近代的な銀行が生まれたのは、17世紀ヨーロッパ。1694年にイギリスでつくられた「イングランド銀行」です。日本で本格的な銀行が誕生したのは19世紀で、1873年(明治6年)に設立された「第一国立銀行」と言われています。
ちなみに「銀行」という呼び名も、明治時代に生まれたものです。英語のBANKを日本語に翻訳する際に、お金を表す「金」や「銀」と、中国でお店を表す「行」という字をあわせて、「金行」や「銀行」という言葉が考えられ、語呂の良さから「銀行」が選ばれたのだそうです。

※参考文献
『図解雑学 日本の金融』(ナツメ社)
『目で見る経済』(さ・え・ら書房)
『世界大百科事典』(平凡社)
『日本大百科事典』(小学館)
日本銀行HP「教えて!にちぎん」