お金の歴史雑学コラム

日本で最初の貨幣とは?

「和同開珎」が最初の貨幣だと言われるが…

この世にまだ「お金」がなかった時代、人々は物と物を交換して暮らしていたと考えられています(物々交換)。ただこのやり方では、自分の欲しい物と相手の欲しい物が常に一致するとは限りません。そこで、よりスムーズに交換ができるように、まず自分の持ち物をお米や塩、布、農具など、誰もが欲しがるものにあらかじめ替えておき、さらにそれを相手の持ち物と交換するという方法が考えられました。
このようなお金のような役割をする物を「物品貨幣」といいます。

ちなみに、漢字の中でお金や財産のことを表す「財」「貯」「買」「貨」「贈」「賭」などの文字には、どれも「貝」という字が使われています。これは、古代の中国で貝殻がお金のかわりに用いられていたからでした。

貝=お金

塩やお米などの物品貨幣は持ち運びには不便ですし、それほど長くは保管できません。そこで次第に、持ち運びや保管に便利な金や銀を使ったお金=貨幣が生まれていったわけです。

日本史の教科書にも必ず出てきますが、日本で最初の公的な鋳造貨幣は「和同開珎(わどうかいちん)」だと言われています。708年、国内(現在の秩父地域)で初めて銅が産出されたことから、当時の政府は元号を「和銅」に改めるとともに、この年に貨幣の鋳造をはじめたのでした。