- 日経STOCKリーグ
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- 第23回(2022年度)実施記録
- 第23回(2022年度)NOMURA Award 受賞者コメント
第23回(2022年度)
NOMURA Award 受賞者コメント
中学部門
広尾学園中学校・高等学校 町田 貴弘 教諭
日経STOCKリーグに参加された経緯について参加したきっかけは、5年前の生徒・保護者からの希望でした。学校では企業の課題解決に向けた取り組みや株式の意義に関する取り組みなどは進めていたものの、実際の株式投資や企業分析に関する取り組みは行っておらず、教員の知識も不足していたため参加に不安はありましたが、事前の教員向け説明会に参加し、生徒主体で進められ、学びとして得るものが大きいことがわかり、自信を持って参加することができました。
日経STOCKリーグへの取り組みについて投資先や分析内容そのものにはあまり口出しをしません。主に注意してみるのは、投資テーマが社会をより良い方向に改善するものであるか、投資目的と投資先が一貫しているかどうかの2点です。この観点でアドバイスしていくと、生徒たちはレポート作成中に「投資が社会を変える力」に気付いてくれます。参加者はとても熱心で、ここ数年は年末年始、レポートの添削で頭を悩ませています。
日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想今年の参加チームは「防衛産業」というとても扱いにくいテーマを選択しましたが、レポート作成の過程で、平和の意義やその実現の方法について多面的に捉えることができるようになったと思います。今後、日経STOCKリーグに参加されるかどうか躊躇されている先生方も、「投資レポートは難しいのでは?」という先入観は持たずに、「経済分野だけではない多様な学びの場」と考えて、積極的に参加していただければいいのではないでしょうか。
高校部門
新潟県立新発田商業高等学校 蟻塚 宰子 教諭
日経STOCKリーグに参加された経緯について授業で学習した内容と社会の動きを理解させ、レポートにまとめることにより情報を整理、発信する力の育成を目指した。日本経済新聞を読むことをきっかけに、企業や経済の状況を知ろうとしてほしいと考えた。
日経STOCKリーグへの取り組みについて本年度は、情報処理科2・3年生合計2クラス78名の授業で実施した。テーマごとに3人でグループを作成し、日経ストックリーグに取り組んだ。2年生では財務諸表分析を「財務会計Ⅰ」の授業で学習し、それを企業分析指標の一つとして紹介した。教員は、大まかな流れやレポートの作成・提出等の説明を実施した他は、質問や相談を受け、生徒の自主的な活動とした。
日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想良かった点は、「気づき」「発見」や「社会課題」を「自分のこと」として真剣に考える生徒の姿に触れることができたこと。今後とも活動を通じて経済に関する興味・関心を高めていきたい。「わかる」「つながり」などを意識するなど、限られた授業時間の中で、生徒のグループ活動を充実させ、よりよい授業になるよう検討したい。
明治学院高等学校 藤田 育宏 教諭
日経STOCKリーグに参加された経緯について本校では高校2年生向けに「企業経済」という選択授業を設置し、1学期に校内ビジネスプランコンテストを行っています。企業経営経験のある、または経営中の社長の方々からプランに対するアドバイスをもらい、また審査員として順位を決定してもらいます。企業経営をシミュレーションすることで、経済の動きを具体的に実感し、また経営者目線で経済を分析できるようにすることを目的としています。その上で、2学期にストックリーグに参加して現代経済の問題を考察したり、投資とは何かを学んだりして、金融リテラシーを向上させることを目的としています。
日経STOCKリーグへの取り組みについていかにユニークな投資テーマを考えて他のレポートと差別化を図れるかが勝負である、と伝えています。そのために、投資テーマ決めにおいては仲間の意見を否定したり批判したりせずに、柔軟で面白い発想が生まれるように話し合いを進めるよう促しています。また、私が意見を伝えると、時にレポートに対する影響力が強くなり過ぎてしまう懸念があるので、生徒達だけの力でレポートがつくられるように、話し合いにはなるべく深入りをしないように留意をしていました。
日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想レポート作成の様子を見るたびに、高校生は日頃から経済に高い関心を持っているのだなという事に気づかされます。日経STOCKリーグは、その関心を金融リテラシーの向上、経済の実態の学びに昇華させてくれるものであると実感しています。苦労したことは、グループ学習を進めると特定の生徒がレポート作成を主導し、その他の生徒が受け身の状態になりすぎてしまうことがあるので、全員が等しく関われるように促したことです。
大学・専門学校部門
新潟大学 濱田 弘潤 教授
日経STOCKリーグに参加された経緯について大学の演習で、現実の経済活動への学生の関心を高めつつ、学生主体のグループワークを実施するにはどうしたらよいかを考えていた時に、日本経済新聞の広告で日経STOCKリーグの取り組みを知ったのが、参加したきっかけです。おかげで学生の経済への関心を高め、卒業後の進路や近年では社会貢献活動について、自分たちで積極的に調べて報告する習慣が身につき、演習の目的として当初想定していた主体的なグループワークの実現が、十分に達成できたと感じています。
日経STOCKリーグへの取り組みについて学生を指導する際に最も留意した点として、学生の判断を完全に尊重することが挙げられます。指導教員として、つい口をはさみたくなるところを我慢することで、若者ならではの斬新な発想からテーマを選択し、新たな創意工夫が生まれるのを目の当たりにしてきました。学生同士のコミュニケーション力やプレゼン力が飛躍的に高まり、学生にとって他の授業や演習ではなかなか得られない貴重な体験ができると思います。
日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想日経STOCKリーグに参加することで、学生のモチベーションを高めることができたことは、大変良かった点です。全国の中・高・大学生が多数参加する日経STOCKリーグで、他の学生がどんなことに関心をもち、自分たちに何ができるのかを考えることは、社会との繋がりを意識するきっかけになったと思います。演習でグループワークを実施している大学の先生方にも、参加をぜひ進めたいところですが、競争がますます激しくなるかもしれません。過去の受賞作があまりに素晴らしく、学生が委縮する場合があったのが苦労した点です。とはいえ、受賞を目的とするよりも、グループワークで学生が納得できるレポートを書くことに主眼を置いたことが、結果に左右されず15年以上も参加し続けられた理由かもしれません。
千葉大学 大鋸 崇 准教授
日経STOCKリーグに参加された経緯について日経STOCKリーグを知ったのは、20年ほど前、私が大学院生時代のことでした。その後、千葉大学の金融工学の教員としてゼミナールを担当するようになり、当時のゼミ生(4期生)と日経STOCKリーグに参加することに決め、以来17年間毎年参加してきました。参加の目的としては、私が授業で教えているポートフォリオ理論を使い、実際のデータを用いてポートフォリオを組むという体験が就職活動など学生の将来に有用だと考えたからです。
日経STOCKリーグへの取り組みについて実際に日経STOCKリーグに参加し、ゼミ生に大きな変化が生まれました。それは、私の授業や教科書で取り扱う小難しい数学が必要とされている技術であり、自分でも使えると気づいたことです。そして、株価・財務データに触れることでその面白さに気づき、学生の進路が、IT・情報系から金融機関へと変わっていきました。また、日経STOCKリーグの参加経験が就職活動も変え、証券会社・投資顧問会社に多くの卒業生を送ることができています。
日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想日経STOCKリーグに参加して、第一次審査通過までに10年、評価基準もよくわからず、試行錯誤を繰り返しました。その経験を蓄積し、第一次審査通過、入選にまでたどり着けるようになりました。ゼミ生達のアイデアは毎年素晴らしいですが、それを伝えるのがとても難しいです。入賞作品は毎年高レベルで、また、年々レベルも上がっているように思います。今年は第一次審査を通過できませんでしたが、また来年もゼミ生と一緒に頑張ります。