1. 野村の金融・経済教育
  2. 学習教材「街のTシャツ屋さん」
  3. 「街のTシャツ屋さん」活用事例

学校との取り組み 中学生編「街のTシャツ屋さん」活用事例

学習した知識をもとに「経済政策」提言と討論で経済事象の理解を深める

横浜国立大学教育人間科学部附属横浜中学校
社会科担当 三藤あさみ先生

全29時間の独自の指導計画

三藤先生

三藤先生は、『街のTシャツ屋さん』が全国の中学校に配布された初年度にも、授業に使用している。今年度の授業については初年度と異なるところがあり、今年度は討論を授業に取り入れたことである。

この単元を始めるにあたって、三藤先生が生徒からの自由アンケートで感じたのは、金融に関する知識や考え方が、他の項目の内容よりもあいまいであったことであった。先生は、小学校で学習していない上に、最近の金融の急激な変化がその理由ではないかと考えた。
学習指導要領には、経済の三主体である家計、企業、政府がどんな役割、営みをしているのかという知識を定着させるとことが示されている。さらにその知識を活用して、経済に関する様々な事象について考えを持つことができるように、目標が掲げられている。

概念

そこで先生は、どんな「概念」を持てたら、それらの目標を達成したことになるのかを考え、授業の中で「どんな経済問題があるのか、その原因は何か、どうすれば問題を解決できるのか」という問いを発問してきたのである。

そして、先生が計画した全29時間の指導計画では、

I 経済の単元知識・内容理解を中心とした授業
  • 17時間
II パフォーマンス課題(「経済政策を提言しよう!」)を学習のゴールと考えて、様々な立場からの発想を理解する話し合い活動及びその準備
  • 5時間
III パフォーマンス課題に取り組む
  • 5時間
IV 完成したレポートをもとにした、プレゼン活動及び単元学習の振り返り
  • 2時間

の4段階の内容となり、その学習が進められてきたのである。当日の授業はIIの段階のものである。

この指導計画では、「概念」を構成するための「思考力」の育成が目標とされている。三藤先生によれば、思考力の深化を図るためには、「資料読み(授業)」→「考える」→「発表」→「文章化」の過程が必要という。したがってこの指導計画からは、このような過程が具現化されていることを読み取ることができるのである。

  1. 前へ
  2. 1
  3. 2
  4. 3
  5. 次へ

戻る