お金の歴史雑学コラム

18 お札の肖像に登場した女性たち

紙幣の中の人も年をとっていく!?

私たちもよく知っている偉人たちの中では、ナイチンゲールやキュリー夫人などの肖像がお札に用いられた例があります。

エリザベス女王

なかには複数の国々の紙幣に肖像が用いられている女性もいます。イギリスの女王エリザベス二世がそうです。
エリザベス女王の肖像は、現在もイギリスの20ポンド紙幣に使われているほか、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、さらにイギリスの海外領土であるケイマン諸島などの紙幣にも用いられています。かつてイギリスは「大英帝国」と呼ばれ、世界中にその領土を誇っていた歴史があり、イギリスと関係の深いこれらの国々の紙幣にイギリス女王が描かれているのです。

なお、エリザベス女王の紙幣は、ご本人の年齢に応じて肖像画が改訂されていることでも有名です。
1960年、初めて1ポンド札に登場した時には34歳頃の姿が、1990年以降の紙幣には60歳頃の姿が用いられているそうです。
一般に紙幣の肖像画にはすでに死去している人物が選ばれることが多いですが、このように存命の人物を使用した場合は、時とともにその人物の風貌も変わっていくので、それにあわせて変更を加えていくことがあるようです。

※参考文献
『お札の文化史』(NTT出版)
『紙幣肖像の歴史』(東京美術)
『これだけは知っておきたい(14) お金の大常識』(ポプラ社)
『お金100のひみつ』(学研)
国立印刷局HP資料