お金の歴史雑学コラム

15 江戸時代の「1両」の価値ってどれぐらいだった?

お蕎麦の代金から換算すると、「1両」は現在の「13万円」ぐらいの価値があった

今回は「江戸時代のお金の価値」についてご紹介しましょう。

テレビの時代劇などでもよく扱われる江戸時代ですが、歴史的には、戦乱の世であった戦国時代が終わって政治が安定し、農業の技術も飛躍的に発達して人口も増え、農業以外の産業もおおいに発展した時代でした。
農業では木綿などの医療原料となる作物や、野菜、たばこ、お茶などの栽培が広がり、清酒(お酒)や醤油などの生産も普及しました。お金(通貨)の単位と発行制度も整備され、「両(りょう)」「分(ぶ)」「朱(しゅ)」をはじめとする金貨・銀貨が使われるようになったのもこの頃です。(コラム09「大判・小判から一文銭まで……江戸時代のお金のしくみは?参照」)

江戸時代と現在では、生活のしかたも、人々の使っていた品物の種類も、物価状況も違うので、お金の価値を単純に比べることはできません。
あくまで参考となる例として、日本銀行金融研究所貨幣博物館の資料では「当時と今の米の値段を比較すると、1両=約4万円、大工の手間賃では1両=30~40万円、お蕎麦(そば)の代金では1両=12~13万円」という試算を紹介しています。

蕎麦で換算

そこでここでは、「1両=13万円」として、当時の物価を見てみましょう。
江戸時代の換算相場は「金1両=銀60匁(もんめ)=銭(銅)4000文」ですので、銀1匁=2166円、1文=32.5円ということになります。
(※実際には、当時は時期によって換算相場も異なりました)