8 戦国時代のお金はだれが発行していた?
日本の貨幣制度がようやく落ち着くのは豊臣秀吉が天下統一をなし遂げてからです。全国の金山・銀山の収益を独占した秀吉は1587年から、通貨単位の統一を図るとともに金貨・銀貨の鋳造をはじめました。
天正長大判
(写真出所:日本銀行金融研究所)
中でも有名なのが、世界最大級の金貨といわれる「天正長大判(てんしょうながおおばん)」です。重さは約165グラム、大きさは縦17センチ×横10センチぐらい。郵便はがきと同じぐらいの、とても大きな金貨です。表面に品質を保証する刻印や、「花押(かおう)」と呼ばれるサインが墨書きされているのも特徴です。
もちろん高価な貨幣なので、庶民が普段の買い物に使えるものではなく、ほうび用や贈答用に使われていました。商人が中国との貿易をする際にも使われていたと考えられています。
秀吉が、質と形の統一されたお金を発行したことにより、貨幣制度も徐々に安定していきました。そして、続く江戸時代になって貨幣制度は完成へと向かいます。