1. お金の歴史雑学コラム
Column 6

明治時代の「1円」の価値ってどれぐらい?

一台400万円 一台400万円

そこで仮に「明治時代の1円=現在の2万円」として、当時の品物はいくらぐらいだったのかを計算してみましょう。当時の「1銭」が、現在の「200円」となります。
例えば、東京銀座・木村屋総本店の木村屋安兵衛が発明した「あんパン」は、明治38年に、1個1銭だったそうです。今の時代に換算すると約200円ですね。ハンバーガー1個分ぐらいの値段でしょうか。

「うどん・そば」は明治37年には2銭だったので、今でいうと約400円。カレーライスは明治35年頃で5~7銭だったそうですから、1000円以上ということになります。また、ビールの大瓶1本は明治34年頃で19銭だったので、約3800円。これはお米1升分よりも高く、庶民には手が出ない値段でした。

お金とモノの価値

さらに高価だったのが「自転車」です。明治32年、アメリカ製の自転車が200~250円で売られていたそうです。当時のお給料で約1年分。現在のお金でなんと400万円相当ですから、高級自動車クラスの値段だったわけです。もちろん、その頃の自動車はさらに高く(1台5000円前後)、大富豪しか乗れませんでした。
このほか、野球のグローブが1~2円(現在の換算で2~4万円)、グランドピアノが750円以上(現在の換算で1500万円以上)となっています。

お金とモノの価値が、時代の流れの中で大きく変わってきたのがわかりますね。

※以上は、あくまで当時の物価や賃金データなどをもとに編集部が試算したものです。どのようなデータをもとに算出するかによって異なります。

参考資料 『続・値段の風俗史』(朝日新聞社)、『物価の文化史事典』(展望社)、日本銀行ホームページ資料等

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