1 日本のお金「円」はいつ生まれた?
さて、それではなぜ「円」という呼び名が選ばれたのでしょうか?
理由にはいくつか説があるのですが、「当時、新しいお金の形がすべて円形に統一されたから、名前も“円”になった」……というシンプルな説が最も有力だとされています。江戸時代では大判・小判などはわらじ形で、一分銀・二朱銀といった銀貨は四角形。欧米のようにすべての硬貨を円形にしたのはその頃の日本にとって大きな変化だったのです。
またその頃、外国と貿易するときのお金として「洋円」と呼ばれるメキシコ・ドル銀貨が普及していたため、その名前をとって「円」になったという説もあります。
なお「銭」という単位は、アメリカのお金の単位「セント」の発音をマネして決められたのだそうです。発案者は佐賀藩出身の政治家・大隈重信だと言われています。